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PAGE2007

PAGE2007」に行ってきました。「PAGE」はJAGAT(日本印刷技術協会)が主催する、印刷業会で一番大きな展示会です。毎年2月頃に、池袋サンシャインシティコンベンションセンターで開催されています。
PAGE公式サイト http://www.jagat.or.jp/page/

ここ数年は忙しい時期に重なったりで、見に行くのをさぼってたのですが、たまには新しい流れも勉強しておかなくては思って出向いてみました。どんな業界も、どんな仕事もそうなんですが、自分が一度身に付けた技術や知識に胡座かいてると、それはいつの間に通用しないものになって、前に進むことができなってしまいます。

で、そんなわけでひさしぶりに会場に行ってみたのですが、正直な感想として、あまり目新しいものは感じなかったです。もちろん中には面白いこと提案してるブースもありましたが、全体としては活気に欠けるものでした。印刷の世界は、この10年くらいで劇的に変化しました。一言で行ってしまえば、職人的な技術に支えられたアナログの世界から、PCを中心に置いたデジタルDTPの世界への移行です。90年代後半くらいからその動きが加速し始め、ちょうど2000年くらいがその混乱のピークだったように思います。しかしこの5年くらいは、その混乱も落ち着いてきて、ある意味ではDTPとしての印刷の技術は安定期に入ったのだと思います。「ある意味では」と言ったのは、その一方で、アナログ時代に成熟していたはずの技術が、その現場や職人の退場とともに、急激に衰退し始めた面もあるからです。一度失われたものは、もう戻っては来ません。新しい世代の人たちが、新しい考え方で、既存の技術を再構築していくしかないのだと思います。しかし印刷業界は(それ以上に出版業界は)、非常に保守的です。次の変化を受け入れるのに、長い時間を要するのです。そして印刷周辺の世界は、これからどこに向かっていけばいいのかが見えにくい時代に突入してるんだなぁと、実感しました。

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ちなみに、私は基本的に「古いもの」「アナログのもの」の方が好きな人間なので、「新しいものがすべて良い」とは思っていません。でも、古いものにだけ愛着を持って、新しいものをすべて否定するようでは、それはただの「思考停止」ではないかと思うのです。私は、できるだけ新しい技術に敏感でいたいと思いますし、それをきちんと使いこなせる知識を、その都度身につけていきたいと思っています。

この業界での問題は、あまりにもとってつけたような「新しさ」に振り回されすぎて、DTP以降の技術を「成熟・洗練」へと進められずにいることだと思います。新しいソフトやOSが出るたびに現場が混乱し、その対応に追われるばかりでこの何年かが過ぎてしまったのが実情ではないでしょうか。なんて、偉そうなこと言ってる私も、そうした状況に加担してきた一人に過ぎないのですが。でもいいかげん、ここいらでいろんなことを修正していくべきでしょう。たくさん時間はかけていいと思います。技術変革の低迷した時代が続いてもいいと思います。伝統的な技術にあったものの良さをもう一度みつめ直しながら、変化を恐れず、新しいものへの可能性を探っていきたいです。

広い会場を歩き回ってクタクタになりながら、そんなことをあらためて考えたりしました。
もうひとつ、今回の目的はJPC主催の特別セミナーに参加することでした。セミナーの内容は、「RGB時代に向けて、色演出を考える」(Labレタッチ開眼)、「Adobe PDF Print Engine & PDF/X-4 印刷物に変革をもたらすか」という2つのテーマ。とても興味深い内容だったのですが、それについて書き始めると長くなるので、またあらためて。