Top Design Illustration Writings Blog Links Profile Contact

All Pages |  1  |  2  |  

まだ制作中

 
 
(このページは作成途中です)


ピクニック

 
猫が死にましたので、ピクニックに出かけよう
まばたきさえも、うとましいから


下り電車

 
下り電車にのる人は、やさしいまなざし宿してる
疲れた体をくねらせて、遠いところをみつめてる
帰っていくのか、行ってしまうのか
君の行方を、私は知らない


黒い薬

静かにもの想う夜は

珈琲をいれる

この毒々しい黒い薬が

私を内側から壊してくれそうで

やがて疲れて眠りいるまで

何杯でも飲み込んでいる

そんなことをくり返していれば

いつか黒い涙がこぼれるやも
 
 
 


知られぬ海


月が照らす朝
 

知られぬ海
 

結び目のない記憶
 

眠らない夢
 

恋は道草
 
 
 


電 話

denwa.jpg灯りの消えたこの部屋に
突然電話が鳴り響く
リーン、リーンと6回鳴って
ぷつりと消えた
さて、今のアナタは誰なのか

投げ出したままの仕事の催促か
暇をもてあます悪友達か
田舎の両親か、同郷の友か
それともなつかしいあの人か

アナタの声が気になるけれど
ひとときアナタに耳かせば
なにか気のきいた言葉でも
用意せずにはいられない

アナタの声が気になるけれど
そのうち便りをよこすから
ひとまず今日はこの夜は
そっとひとりでいたいだけ

アナタの声が気になるけれど
今では果たせぬ想いなら
せめて一夜の憂鬱を
眠り過ごしてしまいたい
 
 
 


記憶の溝

ねぇ、おかあさん。覚えてるんなら教えてよ。
わたしにはどうしても埋められない記憶の溝がある。

いつか家族で泊まったあの旅館。
家族みんなで……
でもお父さんはいなかったかしら。

場所なら少しは覚えてる。
あの山の裾野の河原のバス停から、
橋を渡って坂を上ったその先を……

木立の中にうっすら浮かび上がるあの建物。
玄関をくぐると、天井からぶら下がった裸電球。
襖一枚で仕切られた薄暗い部屋。
シーツをかける前、奇妙に赤い模様の布団。

階段を降りたところ、長い廊下の先に食堂があって
大きなテーブルの向こうには知らない家族。
箸置きの脇には生卵……確か生卵…。

わたしにはそれ以上のことがどうしても思い出せない。
いったい何をしにあの旅館に泊まったのか。
山に登った記憶はない。河原で遊んだ記憶もない。
だんだんと夢の中の出来事だったように思えてくる……。

ねぇ、おかあさん。覚えてるんなら教えてよ。
わたしにはどうしても埋められない記憶の溝がある。

ねぇ、お母さん。ねぇ、お母さん……。


狼と赤ずきん(出会いの一幕)


  赤ずきんが森にさしかかったとき、狼と出くわした。

 「おい、赤ずきん。お前、どこへ行く。」
  と、狼が声をかけた。
 「おばあさんのところ。体の具合が悪いらしいからお見舞いに行くの。」
  と、早口に話す赤ずきん。

 「手に何を持っている。エプロンの下だ」

 「お菓子とぶどう酒。お菓子は私が昨日焼いたわ。」

  狼は赤ずきんと並んで歩きながら、そっと舌なめずりをしたものだ。

 「なぁ、赤ずきん。あれを見な。きれいな花がむやみに咲いてる。
  たくさん小鳥たちもあちこちでさえずってる。
  森のなかってものは、実にどうも素敵なところだ。
  なぁ、赤ずきん。そう思わないか?」

  赤ずきんは、立ち止まって辺りを見渡した。
  朝の光がきらきらと木の間に洩れていた。
  花は、一面に咲き乱れていた・・・。

 
 

※『赤ずきん』の中の、一番印象的な出会いの場面。言葉を少しアレンジしました。


雪の夜

雪の夜が好きだ。

雪はしんしんとつもる。静かにつもる。
その様子を僕はじっとみつめている。

「明日はつもるだろうか・・・」

不安と期待の入り交じった奇妙な緊張感で、
床に入ってからもなかなか寝つけない。

窓の外の雪の気配を感じながら、
布団の中でじっと息をこらしていると、
次第に外気の静寂が部屋の中へと侵入してくる。
ますます目が冴えてくる・・・。

たまらずに起き上がって、
窓の外を見つめながら、ついため息をついてしまう。
そのまましばらく呆然と時間をつぶした後で
もう一度布団に入り直して、眠ろうとするのだけど、
やっぱり寝付けない。

何度も起き上がって窓の外を見つめては、
また、ため息をつく・・・。
そんなことを繰り返しているうちに、
いつしか体は深い眠りへと沈んでいく…。

そんなもの憂いひとときを、雪の夜がいざなってくれる。
 
 
(元は高校生の時の文章です。郷里である鳥取県は、東京よりも雪が多かったのです)


ちいさないたずら

河沿いの小径を毎日通った。

ある時、ふと思い立って
野の花一輪摘んで帰った。
人の居ぬ間にこっそりと
便所の造花を取り替えてみた。

このちいさないたずらに
私はわけもなく胸がときめいて、
ニ階の自分の部屋に戻ってじっと耳をすました

しばらく何事もなく時間が過ぎた後で
突然、悲鳴ともつかぬ母の奇声が
家中に響いた。

---- 私が中学の頃の出来事である。
 
 


All Pages |  1  |  2  |