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グラフィックデザイナー&イラストレーター、横山ひろあきの雑記帳です。日々の出来事や想いを気ままにつづっています。

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(posted by フォト蔵)http://photozou.jp/photo/top/1010779

両国の「カリソン・デクスとプロヴァンス特産品の店」

早、2月になってしまいました。。

最近はひどく仕事が忙しくって、昼休みにブログを更新する元気もなかったのですが、「いつまでたってもお正月の記事だけなんだけど、たまには更新したら?」と何人かの方から厳しい・・・いや、うれしい激励をいただいたので(笑)、これからはもうちょっとまめに更新しますね。
 

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少し前のことですが、江戸東京博物館に行った帰りに両国を歩いていたら、素敵な雰囲気のお店につい足が止まりました。「プロヴァンス特産品」という看板の文字に惹かれて中を覗いてみることにしました。
 
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これは「カリソン・デクス」というプロヴァンス伝統銘菓。「プロヴァンス王国のルネ王がジャンヌ王妃とのご結婚の時に、美しいお妃様の目を形どって、愛と敬意を表して宮廷の菓子職人に作らせたのが始まり」なのだそうですよ。試食させていただいたのですが、しっとりとした食感&上品な甘さの、とっても美味しいお菓子でした。誰かにプレゼントとして贈りたい逸品です。。
 
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その他、上質なオリーブオイル、オリーブとアンチョビのペースト、魚介類のスープなど、心惹かれるものがたくさんありました。
 
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私はこの魚介類のスープを買ってみました。鍋に移してあたためて、パンをひたして食べるとすごく美味しいそうです。
 
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とてもちいさなお店でまだ商品も少ないのですが、プロヴァンスから届いためずらしい食品や雑貨が、素敵にディスプレイされています。そして何より、このお店のフランス人の店主の方がとても素敵な方でした。親しみ深い笑顔で迎えてくださって、お話ししているとこちらまで楽しい気持ちになってきます。

昨年の12月にできたばっかりなのだそうで、まだあまり知られていないとお店なのだと思います。両国の近くに行かれた方、ぜひ一度覗いてみてくださいね。
 

★営業日はお店のホームページで確認した方が良さそうですよ。
「カリソン・デクスとプロヴァンス特産品の店」 http://www.calissonstokyo.jp/

2012年 謹賀新年

明けましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になりました。本年もどうかよろしくお願いします!

(今年も年賀状書いてなくてごめんなさい...)
 
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昨年は、誰にとっても語ることの尽きない大変な一年になりました。あらためて考えさせられたこともたくさん...。新しい一年が始まりますが、そのとき感じたこと、思ったことを、すぐに忘れてしまわないよう心にとどめておきたいと思ってます。
 
今年の目標は・・・とりあえず、バルト三国の旅日記を書き終えることです。。(笑)
ブログでの旅日記が書き終わったら、自分の写真と絵を添えて、1冊の本にまとめてみたいな...という夢を抱いてます。(もちろん私家版ですけども)
去年は、バルト三国、台湾へと海外に行けたことが、私にとっては最高に素晴らしい体験でした。それから、安曇野&松本、大阪&京都へ行ったのも楽しい旅でした。そのときの写真もアップできていないままですが...、また忘れた頃にご紹介するかもしれません。
 
そして今年もまたどこか海外へ旅に出かけたいと計画中です。また、もう一度バルトに行きたいと思ったり、チェコや東欧のどこかにも行きたいと思ったり...。その前に、旅行に行ける資金を稼げるよう、精いっぱい目の前の仕事がんばりますね。。
 
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元旦はのんびりと寝正月でした。近所の神社にでも初詣に行こうかと思ったのですが、人の行列の凄まじさに後ずさり...。元旦の初詣はあきらめて、近所の公園を散歩しました。
 
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あまり面白みのない公園ですが、小さな池があって、鴨たちが気持ち良さそうに悠々と泳いでいます。カメラを向けたら、なぜか鴨たちがこっちに集まってくるではありませんか。隣の池からもすごい勢いで飛んできました(笑)。
 
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そして気がつくと、その様子がよっぽど面白く見えたのか、周りの人まで集まってきました。私がシャッターをきる度にポーズをとる鴨の姿が、皆の笑いを誘う一幕でした。。
 
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公園で今年の初猫にも会いました。野良とは思えない、ふくよかな体系。とってもなごやかな顔をしていて、近づいても逃げない。もちろんたくさんさわらせてもらいましたよ。今年最初の福をいただいた気分になりました。


再び海の向こうへ。

バルト三国の旅行記はまだまだ続くのですが・・・
突然ですが、明日からちょこっと台湾に行ってきます。

えーっと、えー、まぁ、仕事というわけではなくて...
海外視察というか、単なる現実逃避というか、なんというか...

お、美味しいものを食べてきます。。(笑)
 

バルト三国の旅(その16)

16.「ラトビア・リガの中央市場」
 
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宿に荷物を置いて、最初に向かったのはリガの中央市場。この古い駅舎のような大きな建物が中央市場。写真に写ってる3棟と,向こう側にもう1棟あって、その全部が市場になっているのです。なんと巨大な市場なんでしょう。
 
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市場は、その国の台所事情を映し出す鏡。こういう場所を見て回るのはたまらなく楽しい体験。私にとっては、はじめて見る海外の市場の風景に、興奮せずにはいられません。。あっちへこっちへと、カメラを持って一人で歩き回ってしまいました。
 
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リガの中央市場は、様々な食材とたくさんの買い物客で賑わっています。バルト三国のイメージとして漠然と想像していたのとはまったく違って、かつて旧ソ連に支配された過酷な時代からは完全に脱却し、国力は刻々と大きく成長しているのでしょう。市場の豊かな情景と人々の活気ある表情を見ていると、バルトの国々の明るい未来を感じました。
 
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屋内の市場は、食材毎に建物とエリアが分類されていて、各売り場は無数の店舗がひしめき合っています。ひとつひとつ足を止めて見ていくとキリがありません。
 
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途中で見かけた惣菜類。なんだかよくわからないけど、みんな美味しそう。
 
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色鮮やかすぎる野菜たち。はじめて見るものもいろいろ。
 
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そしてとても印象的だったのが、鮮魚のエリアがとても充実していたこと。海に面した国々なので、当然ながら魚は大事な食資源だと思うですが、日本の市場のようにこんな風に生魚がたくさん並んでいる光景は、ちょっと不思議な感じがしました。
 
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とはいえ、やはり魚は薫製等に加工して食べることが多いようです。本当にたくさんの種類の薫製があって、元の魚の種類が想像できないものもありました。長細い形の魚の薫製が、まるでフランスパンのように立てて並べてある光景が面白かった。
 
市場には食べ物だけでなく、日用品も売っています。
 
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こんな面白いディスプレイも見かけました(笑)。ストッキングをこうして見せれば、確かにわかりやすいですよね。あと、巨大なパンツ(女性もの)とかも普通にも売ってました。ロシアサイズかな??
 
市場は、売っている物だけでなく、そこでの人同士の人間臭いやり取りや、人の表情を見ているのもすごく楽しい。その土地の人たちの生活を、肌で感じることができます。
 
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市場全体はすごく広くって、全部をちゃんと見て回ると半日くらいかかってしまいそうです。ざっと見ただけでも歩き疲れたので、少し遅めのランチがてら市場の中の売店で軽食とビールをいただきました。ラトビアでの最初のビール。。
 
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エストニアのビールと負けないくらい、ラトビアのビールもうまい!!(つづく)

バルト三国の旅(その15)

15.「エストニアのタリンから、ラトビアのリガへ」
 
バルト三国の旅、四日目の朝。窓の外は冷たい小雨。
夢のように楽しかったタリンでの二日間が終わってしまい、ここを離れてしまうのが何とも寂しく感じてしまいます...。まだ見ていないところ、もっと見ていたかったところ、たくさんあったのに。旧市街は割と小さなエリアなので、一日あれば余裕でひと通り見て回れると旅行記に書いてる人が多かったけど、私にとっては全然時間が足りなかった。もしもまたエストニアへ来る機会があったら、その時はゆっくり滞在してみたいと思う。後ろ髪ひかれつつも、朝早めにチェックアウトをすませて宿を出ました。
 
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旧市街を一歩出ると、こんな風に普通の街並が広がっています。旧市街の中の世界があまりにも日常の景観とは違っていたので、城壁の外に出てアスファルトの道路と四角い建物を見た時、ひどく殺風景なものに感じてしまいました。バス停でトラムを待っている間、外気がすごく冷たかったのと、タリンを離れることの切なさが、余計にそんな風に感じさせてしまったのかもしれません。
 
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トラムの切符。またきっといつかここに戻って来れるように、願を込めてこのチケットを大事に持ち帰りました。今も財布の中にしまっています。
 
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タリンのバスのターミナルまでは旧市街から少し離れていて、トラムに載って7〜8分くらいかかったでしょうか。歩くと結構な距離です。バスターミナルはこんな風にぽつんと住宅地に建っていて、周りにはお店とかほとんどありません。ターミナルの中も、とてもこじんまりとしたスペースで、待ち合いの席も少なめ。
 
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そうそう。ここで素敵な出会いがありました。出発までここでカップ珈琲を飲みながら時間をつぶしていたのですが、ふと日本語の会話が後ろの方で聞こえてきたので振り返ったら、日本人のご夫婦と娘さんがいらっしゃいました。私たちと同じく、リガ行きのバスを待っているとのこと。ご主人はとても物腰柔らかく、そして世界中いろんな国を旅してる方で、内戦終結直後のユーゴに行ったときの体験など、バスに乗ってからもいろいろと楽しい話を聞かせていただきました。埼玉にお住まいとのことでしたので、またいつかどこかでお会いできる日があればと願ってます。
 
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売店のビール。こういうところを覗くと、その土地でどのビールがメジャーなのか知ることができて楽しい。SakuのoriginalとHele、A . Le Coq、Alexander 。だいたいこの三銘柄はどこでもあるようです。一通り飲んでやっぱり一番美味しいのはSakuのビール!それにしても、500mlの缶で、1.17ユーロ=約120円って、安すぎますね。。
 
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リガ行きのバスは、いくつかの運行会社があるようですが、私たちが利用したのは「Lux Express(http://www.luxexpress.eu/)」というバス。まったく期待していなかったのだけど、このバスの中がすごくきれいで充実した設備でびっくりでした。コーヒー等のドリンクは飲み放題。無線Wifiも使えます。もちろんトイレ付き。リガまで4時間程かかりましたが、途中で休憩も入るし、とっても快適な旅でした。
 
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国境のゲート跡です。現在ではまったく使われていないようで人影も見当たりません。陸路でのはじめての国境越えでしたが、何事もなくあっけなく通過。EU圏内なのでパスポートチェックがないのは当然なのだけど、あまりにもあっさりと国境越えをしてしまって、なんとなくちょっと残念なような...(笑)
 
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タリンからリガまで、海岸に沿った道を走っていくのですが、車窓から見える景色はずっとこんな風景。バルト三国の西側は高い山がないらしく、延々と緑の平野が続いています。あまりにも変化がなくて、ずっと見てると猛烈な睡魔が襲ってきます...。
 
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途中一度だけ鉄道の列車を見かけました。バルト三国での長距離移動は、バスを利用するのが基本的なのだそうです。主要都市を結ぶ列車もあるようですが、路線や本数が少なくて、経路によっては思ったように旅の日程が組めなかったりするみたいです。
 
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リガ市内に入ると、少しずつ車道に車が増えてきました。所々に歴史を感じる建物が見え始めて、ついにラトビアに来たんだと胸が高まります。。
 
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そしてリガのバスターミナルに到着!タリンよりは大きなバスターミナルでしたが、周りの景色はかなり素っ気ない感じで最初ちょっと面食らいます。右に見える建物は有名な中央市場。タリンを出たのが9時半くらいで、リガに到着したのは午後1時半くらい。この頃には、朝の冷たい雨が嘘だったように、空はきれいに晴れ渡っていました。少し南下しただけなのに、ラトビアの太陽はエストニアよりもずっと明るく、あたたかに感じます。
 
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まずは荷物を置きに行きたかったので、すぐに宿を目指しました。予約していたホステルは市街地の中心からは少し外れたところにあって、15分くらい歩いたでしょうか。地図を見ながら歩いたら、今回は迷うことなく宿を見つけることができました。しっかし重たい荷物を引きずってやっと辿り着いたと思ったら、受付は2階。エレベーターはなし。そして私たちの部屋はさらに二つ上の階...。そこまで荷物を持ち上げていくのがホントに大変でした。まぁ、安さで選んだ宿なので、贅沢なことは言えません。。
 
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私たちが泊まった宿は、Central Hostel (http://www.centralhostel.lv/)。
3人部屋で、一人一泊10ユーロ=1000円という驚きの安さ(笑)。もちろんホテルのようなサービスは求められませんが、部屋も館内もきれいでしたし、フロントの方の対応もフレンドリーで、素泊まりの宿としては不自由に感じることはなかったです。「とにかく安いことが第1条件!」という方にはおすすめしたい宿でしたよ。(つづく)

バルト三国の旅(その14)

14.「ふとっちょマルガレータ、そしてタリン旧市街の幻想的な夜」
 
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展望台を降りてきた頃には、もういつの間にか夕刻時。暗くなってしまう前にと、急いで旧市街北側のエリアに向かいました。旧市街の北端には、「スール・ランナ門」と「ふとっちょマルガレータ」と呼ばれる有名な砲塔があります。
 
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この横に広がった丸い建物が「ふとっちょマルガレータ」。昔ここは牢獄として使われていた時代があって、そこで給仕をしていた太ったおかみさんの名前が「マルガレータ」だったのだそうです。建物の愛称として名前を残されるなんて、それほどまでに愛すべき人柄だったのか、それとも牢獄を連想させるくらい恐い人だったのか、さてどっちだったんでしょうね?
 
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現在では、ふとっちょマルガレータは海洋博物館になっているのですが、残念ながらこの日は閉館していました。建物の中に入ってみたかったのに、残念...。
 
この日の晩ご飯は、前日に歩いたカタリーナ通りにある「KLOOSTRI AIT」というレストランに行くことにしました。このお店はガイドに載っていないのですが、現在ラトビア在住の日本人の方に教えていただたのです。扉のガラス窓から中を覗くと、客は地元の人ばかり...?という雰囲気で、正直すごく躊躇したのだけど、思いきって入ってみました。

★KLOOSTRI AIT→http://www.kloostriait.ee/(すごく素敵なHPです!)
 
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店内は外から見るよりもずっと広くて、こんな風に大きな暖炉があったり、各テーブルにはロウソクの灯りが置かれていて、とても落ち着いた雰囲気の素敵なレストラン。次々とお客さんが入ってきて、すぐにお店は満席に。
 
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そしてこれが注文した料理。サーモンの入ったクリームスープとチキンのサラダ、そしてベジタブルなラザニア。すっごく美味しそうでしょう?? ...ところが一口食べてみると、なんというか...ひと味足りない感じ。料理と一緒に運ばれてきたソルト&ペッパーのミルで、思い切りよく塩気を足したらまぁまぁ美味しくなりました。ただ、食べながら思ったのは、おそらくこれが本当の地元の味なのかもしれません。観光客向けのお店は誰でも美味しく感じるように、少し濃いめの味付けにしてあって、実際はここで食べた料理のようにちょっと素っ気ない味付けの方がスタンダードなのではないでしょうか。だって、美味しくなければこんなにもお客が賑わうはずがないのだから。そんなことをあれこれ想像めぐらせながら、その土地ならではの味を体験してみることこそ、旅の楽しい醍醐味ですよね。
 
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食事を楽しんだあと、どこかでもう少しビールを飲みたくなって、昼にお祭りをやっていたラエコヤ広場の方へと歩いていたら、突然大勢の人垣に遭遇。人の肩越しに向こうを覗き込むと、中世の時代から抜け出してきたような人たちが輪になって踊っているではありませんか!
 
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古楽の調べと伴に輪舞を踊る様子は、まさにおとぎ話のよう! 中世の美術や音楽にずっと憧れていた自分にとっては、本当に夢のような光景でした。。
 
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輪舞が解けたあと、高貴な衣装を着た男性(村長という設定なのかな?)が若い男女に向かって、なにやら書面を読み上げているパフォーマンス。結婚式か何かの儀式をやっている様子でした。
 
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真っ白な衣装を着た美しい乙女が、多くの人の視線を集めていました。本当に妖精のような可憐な美しさ...。あまりの美しさにしばらく見惚れていたら、いつの間にか連れの友人たちとはぐれていました(笑)
 
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ひとつ隣の広場では、先程の中世の世界から打って変わって、旧市庁舎の壁を巨大なスクリーンに仕立てた光と音のショーが繰り広げられていました。ミニマルな音と連動しながら、丸い光が生き物のように動めいていきます。ショーというより、コンテンポラリーのアートパフォーマンス。タリンという街は、古い文化と現代的なものが非常にうまく融和された素晴らしい文化を持っていると感じました。
 
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街頭のあちこちで、いろんな人たちが思い思いの音楽を奏でています。このままずっと一晩中音楽が鳴り響き、人々は酒杯をかかげ、陽気な歌をうたい、終わりのない輪舞を踊る...いつまでもいつまでも続くカーニバルの迷宮にはまり込んでしまいそうな......そんな幻想を誘う夜でした。(つづく)
 
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バルト三国の旅(その13)

13.「展望台から望むタリン旧市街」
 
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ニコラス聖堂の横道を少し歩き「リュヒケ・ヤルク通り」という階段を上っていくと、旧市街を一望できる高台があります。階段の途中では、陽気なおじさんがずっとギターを弾きながら歌をうたってました。
 
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タリン旧市街は、為政者や貴族たちが居を構えた「山の手」と、商人や職人、庶民たち暮らしていた「下町」とに分かれています。先程の広場があったのは下町の中心地。階段を上って丘の上にあるこの城壁を出た先の地区は「山の手」の"トームペア"と呼ばれていて、トームペア城や大聖堂など、時の権力を象徴する建物が並んでいます。
 
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これは大聖堂の外観。デンマーク人がこの地を占領してすぐに建設した、エストニア最古の教会なのだそうです。残念ながら教会内部は撮影できなかったのだけど、この大聖堂の内装や雰囲気は本当に素晴らしかった。中央の祭壇よりも、壁面いっぱいに無数に飾ってある紋章の、過剰な装飾に圧倒されます。聖人だけでなく、貴族やかつての富裕な職人・商人たちの墓石もたくさん刻まれている。遥か遠い時代に生きた人々の息吹が、今もかすかに漂っていそうな空間。古色に染まった木のベンチに座って、しばらく呆然と時を過ごしました。。
 
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左側の建物は有名な「アレクサンドル・ネフスキー聖堂」。ロシアに支配されていた時代を象徴する建物。トームペアに君臨するかのごとく、その中心にどっしりと存在感を放っている。ロシア側から見れば、アレクサンドル・ネフスキーはドイツ騎士団の侵攻を駆逐した歴史的な大英雄。カトリック=キリスト教世界の無際限な拡大を阻止したという意味でも、彼の偉業には大きな意味があると思う。しかし、エストニアの精神的支柱となる大聖堂やトームペア城を睨み監視するかのごとく、ここに正教会の聖堂があるのは、なんとも言えない違和感を感じてしまいます...。
 
大聖堂の手前のコフトゥ通りを少し歩いた先に、旧市街を展望できる展望台がありました。ここから見渡した景色は、思わず感嘆の声を上げずにいられません! まさに絵のような美しさ。。
 
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素晴らしい景色なのだけど、この丘の上は冷たい風が吹きすさび、とにかく寒かった...。展望台広場にあった素敵なカフェテラスで、ちょっとひと休み。ここで飲んだホットワインに、体も気持ちもあったまりました。
 
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あまりにも寒いので帰ろうかと思ったのだけど、途中の脇道に心惹かれて、例によって当てもなく歩いて行ったら、その先にもうひとつ別の展望台を見つけることができました。こっちからの方が海まで見渡せて、私としてはすごく気に入った景色。展望台に行かれる方は、手前の展望台だけでなくもうひとつ先の展望台にもぜひ足を運んでみてください。
 
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北欧らしい控えめな青空と低く流れる雲、その下に立ち並ぶ赤い三角屋根のコントラストの美しさは、今回の旅の中で忘れられない思い出になりました。(つづく)

バルト三国の旅(その12)

12.「タリン旧市街〜ニコラス教会で〈死のダンス〉に出会う」
 
昼食のあと、最初に向かったのは「聖ニコラス教会」。旅行前からずっと、必ず行きたいと思っていた場所のひとつ。
 
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聖ニコラス教会は、13世紀前半にドイツ商人居住区の中心に建てられた教会で、非常時には要塞としても役立てられたそうだ。1944年の空爆で破壊されたために、残念ながらも原型の内装はまったく残っていない。外観のみが修復・再現され、現在は美術館&コンサートホールとして利用されている。
 
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最初、この教会の前に来た時は「あれ、道を間違えたかな?」と思ってしまったほど、こじんまりとした佇まい。でも中に収められている展示物は、どれも非常に見応えのある素晴らしいものばかりだった。

入場料は、3.20ユーロ。安い!しかも、ガイドブックでは「撮影不可」と書いてあったけど、写真撮影もOKだった(もちろんフラッシュは不可)。
 
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展示室に入って最初に感激したのがこの展示作品。なんと悪魔的な美しさを放っているんだろう...。教会にあった祭壇の一部だろうか?富豪の商人の家にあった実用品だろうか?この過剰な装飾を見つめていると目眩がしそうになる...。
 
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教会の内側には、高い塔の上から光が斜めに差し込み、美しい陰影の世界を造り出していた。この教会の構造は、「灯り」によって何かしらの対象物を照らし出すことより、「陰」を演出することにこそ大事な意図があるように私は感じた。
 
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この荘厳な空間で演奏されるオルガンは、どんな美しい音を響かせてくれるんだろう...。コンサートの機会に、ぜひ立ち会ってみたかった。
 
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これはリューベックの職人、ヘルメン・ローデ作の主祭壇(15世紀)。この教会のなかで、もっとも貴重な展示物のひとつ。表側の左右には聖ニコラスと聖ヴィクトルの生涯が描かれている。そして、この祭壇は二十の観音開きの構造になっていて、中央を開くと彩色された聖人像が彫られているらしいが、閲覧できる機会は滅多にないそうだ。
 
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ふと、この妖艶な美しさに、クラーナハの官能的なヴィーナス像を思い出した。
 
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その他にも15〜16世紀に作られた祭壇などがいくつか展示されていたが、絵の部分よりも周囲の装飾部が面白かった。こういう細部にこそ、エストニア独自の文化が息づいていると感じる。
 
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そして、この聖ニコラス教会を世界に知らしめているのは、何と言っても、この「死のダンス」が保存されていること。リューベックの画家・彫刻家のベルント・ノトケの手によるもので、15世紀後半に完成した作品。画中には左から、法王・皇帝・皇女・枢機卿・国王が並んで描かれ、不気味な骸骨たちと共に「死の舞踊」を繰り広げている。(作品が厳重に管理されててうまく撮れなかったので、こちらのサイトなどをご参照ください→http://www.dodedans.com/Eest.htm
 
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横長に展開する作品だが、現存するこの絵は作品の一部分のみで、オリジナルのそれ以外の作品は失われてしまっている。本来は全長30メートルくらいの作品で、教会の室内の壁面をぐるりと囲む形で作品が配置されていたようだ(→★参考サイト)。
 
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「死のダンス」の背景には、14世紀のペスト大流行という大事件がある。中世ヨーロッパでは、ペストだけでなく疫病による死者は相当な数だったと想像されるし、魔女狩りや異教徒弾圧といった残虐な殺戮が繰り返され、人々は常に死と隣り合わせにいる状況にあったのだろう。死の恐怖から半狂乱になって踊り狂う人たちが出現したり、疫病の災いを祓うために骸骨に扮した祈祷師らが街中を歌い踊りながら練り歩く儀式が行われたのだという。「骸骨」と「死の舞踏」というモチーフは、15〜16世紀に至って盛んに描かれるようになる。閉塞した社会状況を反映させて、「王様であろうと極貧の農夫であろうと、死はまったく同じように訪れる。"生"はかりそめ。この世は"死"によってこそ支配されているのだ」...という「現世の無常観」が広く世の中に蔓延し、骸骨たちの図像が様々な場所に刻まれることになるのである。(しかし後の時代にそのような世界観が否定され、それらの作品は破壊・改変されてしまう。この「死のダンス」も上描きされていたが、長い時間を費やして修復された。)
 
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それにしても、この踊る骸骨たちはなんと生き生きとしていて、鮮やかな存在感を放っているのだろう。聖人を描くことに飽き飽きしていた画家たちの想像力が、そこに居場所を見い出したようにも思える。そしてこの絵に大きな魅力を与えているもっとも大きな要素は、この中央にいる女性の陰鬱な表情だろう。「皇女」という設定になっているようだが、どこかしら少女のような面影を残しメランコリックな憂いを浮かべて踊る姿は、見るものに鮮烈な印象を残す。焼け残ったのがこの2枚でなかったなら、これほどまでに多くの人に愛される作品にならなかったのではないだろうか。歴史的な偶然によって部分のみが残されたからこそ、この作品は「死と少女」という魅惑的な、そして文学的なテーマとも結びついたのではないか...。

聖ニコラス教会で見た「死のダンス」は、そんな連想を誘いつつ、忘れがたく妖しい美しさを放っていた。(つづく)
 
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