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カテゴリー:映画・音楽・本 etc

青に捧げる・・・(訃報)

シンガーソングライターの河井英里さんが、去る8月4日に他界されました。
突然知った訃報に、一瞬声を上げて驚いた後、ただただ呆然としてしまいました…。

■オフィシャルサイト http://www.goocompany.co.jp/eri_kawai/
 

河井英里さんは、私の一番好きなミュージシャンの一人。彼女の声の響きの美しさは本当に特別なもので、透明感があるというだけでなく、物語を想起させるような不思議な魅力に満ちていました。

wordsworth.jpg河井英里さんの音楽に出会ったのは今から20年くらい前でしょうか。「ワーズワースの冒険」という素晴らしい番組があって、そのテーマソングを歌っていたのが河井英里さんでした。その曲がずっと忘れられなくて、10年以上経ってから、もう一度聴きたくなってCDを探していたら、折しも、出来上がったばかりのオフィシャルサイトが見つかってうれしい驚きでした。2002年の春先のこと。ちょうどその頃が積極的な音楽活動を再開していたタイミングだったようなのです。初のソロライブにも立ち会うことができて、その時の感動は今も忘れることができません。
 
それからもずっと、ライブに通いました。昨年6月に赤坂レッドシアターで開催されたコンサートは、これまでの数々のライブの中でも、とりわけ素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた、本当に印象深いステージでした。そして、それ以来となるソロのライブが7月に予定されてました。とても楽しみにしていたのですが、2ヶ月前に突然中止の案内があり、「どうしたんだろう・・・?」と心配していた矢先、この悲しい訃報が飛び込んできたのでした・・・。
 
年齢は自分と同じくらいだったと思います。あまりにも早すぎます。もっともっと活躍してもらいたかったのに…。最近はTVやアニメの挿入曲の歌唱が多かったけれど、私はシンガーソングライターとしての河井さんの曲がもっと聴きたかった。もう新しい曲を聴くことができないと思うと、悲しくて悲しくてたまりません。でも、もっとたくさん歌いたかったのは、他ならぬ河井英里さんご自身に違いないのでしょう・・・。どんな思いで病床につきながらも、辛い治療を乗り越えようとしていたのかを想像すると、胸が苦しくなります…。
 
河井英里さんの歌が、本当に好きでした。辛いことがあったときも、その歌声を聴くと救われた気持ちになりました。心から感謝しています。ライブの時に見せてくれた明るい笑顔を、ずっと忘れません。これからもずっとずっと、彼女の歌を聴き続けたいと思ってます。

心からご冥福をお祈りします。

 
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あんなにも優れた才能を持った方が、たった2枚しかオリジナルのアルバムを出していないのは、本当に残念でならないのですが・・・どちらも本当に素晴らしいアルバムですので、ぜひ聴いてみてください。(画像クリックでAmazonのページにリンク)
 

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最後にお会いした時に書いてくださったサイン。一生の宝物です。
 

今読んでいる本

最近、ひさしぶりに小難しい本を読みたくなって、何にしようかと自分の書棚を眺めていたら、ロロ・メイの「失われし自己をもとめて」という本にふと目に止まったので読むことにした。4、5年前に買ったまま読んでなかった本(→その時につづった雑記)。最近電車の中で毎日読み進めているのだけど、深く考えさせられること、感銘を受けることがたくさん書いてある。

ふと、あとがきを先に覗いたら、なんとこの本が著されたのは1953年、今から50年以上も前だった。邦訳版が出てからも30年以上経過しているそうだ。私が手にした本はその改訳版。近年刊行された本だと思い込んでいたので、とてもびっくりした。それにしても、現代に生きる私たちの心理と社会状況を的確に言い当ていて驚かされる。この時代から問題とされていたことが何も解消されることなく、ますます顕在化しているということなのだろう。20世紀に残してしまった宿題がたくさんあるんだなって思った。

私がロロ・メイの著作を読むのはこれが2冊目。前に読んだのは「美は世界を救う」というタイトルの本。ドストエフスキーが遺した謎の言葉、「美は世界を救うか」という問いかけをテーマに置いた、素晴らしい内容の本だった。この本のタイトルは、プルーストの「失われた時を求めて」をひっかけているのだろうか。でも原題は「Man's Search for Himself」となっているから、ちょっとニュアンスが違うようなのだけど。著書の内容を踏まえて、ふさわしい邦訳タイトルを考えたのだろう。

 
この本のまえがきの冒頭の一文に、まず感銘を受けた。
「不安な時代に生きていて幸いなことの一つは、自分自身についての認識を強いられることである。」

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「活版フェスタ2008」に行ってきました

この土日もずーっと仕事でした。さっき終電で家に帰ってきたところ。今週、大事なプレゼンがあって、その準備で連日大わらわです。まぁ、大変と言えば大変だし、相変わらずの貧乏ヒマなし、時間に追われる毎日だけれど、最近はひと頃より楽しく仕事ができてるので、そんなにくたびれてるわけでもないのです。この2年くらい、いろんな意味で低迷した日々が続いたけれど、やっと前向きな気持ちに戻って来られた気がします。
 
そして時間がないときこそ、他のことをしたくなるのが人の人情というもの(笑)。仕事の合間に時間つくって、今日は「活版フェスタ2008」というイベントに行ってきました。

http://www.robundo.com/adana-press-club/news/news029.html

期待以上に、素晴らしい内容の展覧会でした!会場には、大勢の来場者。そして、若い人たちがたくさん集まっていることに、ちょっと驚いてしまいました。

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このイベントのことは、LUFTKATZEの平川珠希さんにご案内いただきました。

↓そのLUFTKATZEの展示販売されていた作品。
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↑ワークショップの様子。「手鋳込み鋳造器」を使って活字をつくっていました。
また後日、続きのレポート書きます。もう寝なければ!

金沢〜能登〜ピアノ炎上〜粟津潔展(その6)

二日目もこれ以上にない、快晴の青空が広がりました。

午前中に宿を出て、再び金沢へ。

その前に、旧富来町の病院にある粟津潔作の銅像を見に行ったりしました。前回の記事に書き忘れましたが、旧富来町は粟津さんの父親の実家があったところなのだそうです。その縁の地で、いろんな偶然と経緯の中で、あのような歴史に残るライブイベントをやることになったのだから、人のつながりや地縁というものは、本当に不思議なものだなぁって思いました。

 

お昼過ぎに、再び香林坊まで戻ってきました。そして「金沢21世紀美術館」に到着。ずっと前から行きたいと思っていた「21世紀美術館」、そしてそこで「粟津潔展」を観られるなんて! 会期ギリギリになってしまったけど、なんとか間に合って本当にうれしかった。と、その前にまずは腹ごしらえ。

 

金沢市役所裏に流れる川と、近所のお店で食べた「カニ味噌手打ちパスタ」。

美術館は入り口付近からたくさんの入場者で賑わっていました。展示の様子を許可いただいて撮影させてもらったので、ちょっとだけご紹介します(画像の転載はしないでくださいね)。

今回の『荒野のグラフィズム:粟津潔展』は、21世紀美術館所蔵の約2600点の粟津潔作品コレクションから、1500点という膨大な点数の作品が展示されました。2年前に、東京文京区の「印刷博物館」でも『粟津潔展 EXPOSE '06』(→その時の記事)が開催されたのですが、今回はそれよりはるかに大きな規模の展覧会。まず展示室に一歩足を踏み入れて、壁面いっぱいに展示された作品数と、そのスケールに圧倒されました・・・。目眩がするような気分で、しばらく呆然と作品を見上げてしまいました。

粟津潔さんの代表的な作品は、今まで何度も観ているにもかかわらず、その膨大な作品を一同に介して向き合ったときに感触は、何とも表現しようのない、特別なものでした。うまく言えないのですが、それら作品群が制作されたときの作者の激しい情念と、時代の空気のようなものが、垣間見られたような気がしたのです。

これは、1977年のサンパウロ・ピエンナーレに出品した代表作《グラフィズム》の再現。個別の作品を「観る」というより、部屋全体から発せられるものを「体験する」作品だと思います。一人の女の子が黒い色面のキャンバスの前で、長い時間立ち尽くしていました。

私が一番長くいた部屋は、このポスター作品を集めた展示室。なんという作品数なんでしょう・・・。そしてその一枚一枚が宣伝美術である機能性や目的を越えて、表現としての存在感を力強く発揮しているのです。印刷・デザインの仕事に携わっている側の人間の一人としてこれらの作品に向き合ってみると、そのどれもが大変な技術と労力を費やしているのが想像されます。用紙の選び方から、製版の仕方、印刷工程まで、今では考えられないような手間と創意工夫が秘められてるのではないでしょうか。その制作過程の現場を想像すると、正直ぞっとすると同時に、たまらなくわくわくする気持ちが込み上げてきます。どんなに大変なことがあっても、そこに関わった人たちはきっと、その時点の技術レベルを超えて、自分の能力をも超えて仕事したのでしょう。制作過程でのイレギュラーな出来事さえも包み込んで、作品に昇華してしまう力強い・・・というか、恐ろしい執念のようなものが、粟津潔さんの作品の奥に横たわっているように感じました。

展示室はいくつかのテーマで分かれていて、多ジャンルに渡る仕事を手がけてきた粟津潔という作家を、多元的に多面的に掘り下げていたのが、とても良かったと思います。年代別に作品を展示するより、作品の本質を垣間見れる切り口になっていたと思う。

そして写真作品を集めた部屋もすごく良かった。日常的な場面の中にノスタルジックな情感を喚起させる画を見いだしていたり、当たり前の景色のはずなのに、こんな場面の切り取り方ができるのかと、驚かされたり。あ〜、粟津潔さんの写真を集めた本が欲しい。

中庭にディスプレイされていたのは、粟津さんの作品の象徴ともいえる「ウミガメ」。明るい日差しに照らされて、気持ち良さそうでした。

21世紀美術館はとても天井が高くて、展示室も広々としていて、ゆったりとした気分で作品を楽しむことができます。ガラスを外壁にたくさん使っているので、日中は外光が入って明るく、美術館特有の閉塞した感じがありません。

「粟津潔展」を観るだけで、かなりのエネルギーを使ったので、常設展はほとんど観ないで終わりました。なので、21世紀美術館のその他の展示についてはあまりコメントできないのですが、美術館全体としての展示のレベル・質は非常に高く、本当に素晴らしい美術館だと私は思いました。閉館後も自由に入れるフリースペースや、ライブラリー、市民ギャラリー、託児室もあったりして、観光客以上に市民の来館者を大切にしてる姿勢を強く感じました。高い評価を受けている美術館であることを、今回実際に足を運んでみて、充分に納得したのでした。

 

これは例の有名なプール。上からと下から。家族連れの人たちは喜んでました。
 
2005年にフィルムアート社から刊行された、「粟津潔 デザインする言葉」の本文DTPの制作を、私もお手伝いさせていただきました。素晴らしい内容の本ですので、ものをつくる仕事をしてる方、ぜひ手にとってみてください。

その本の中の一文———。
「私たちの未来に執念がほしいのです。可能性を無限にふくんだ歓喜に満ちた空白の時代、そこにわれわれは住んでいます。」
 

★粟津潔 オフィシャルサイト Kiyoshi Awazu.com
http://www.kiyoshiawazu.com

(つづく)※次がラストです

金沢〜能登〜ピアノ炎上〜粟津潔展(その5)

(増穂浦海岸)

午後5時。少し陽が傾いた頃に、「ピアノ炎上2008」が始まりました。
防火服に身を包んだ山下洋輔が、さっそうと登場。

 

ピアノに向い一呼吸あった後、いきなり演奏が始まりました。そして演奏が始まってすぐに、ピアノの上蓋から赤い炎が燃え上がりました。

火はあっという間に大きくなり、凄まじい勢いの炎と煙がピアノを覆います。その炎と闘うかのように、激しく、ときには握り拳を使って、鍵盤を叩き続ける山下洋輔。次第に弦を焼き切って行ったのでしょう。最後は高音の部分しか音が出なくなって行ったのだけど、燃えるピアノと山下洋輔とがせめぎ合うような場面が展開していきました。

すべてがあっという間の出来事。そして、いよいよ炎がピアノ全体を包み、これ以上の演奏は不可能という状況になって、山下洋輔はピアノを離れました。その後も燃え続けるピアノを、会場の傍らでずっと見届けていました。

ライブ演奏として「ピアノ炎上2008」は、そこで終わったわけですが、その後も、ますます激しく燃え上がるピアノを大勢の観客が見守り続けました。ピアノの一部が焼け落ちる度に大きな歓声を上げたりしながら。

山下洋輔の演奏が終わってしまうと、日常の世界に急いで戻らないといけないかのように世間話始める大人たちもたくさんいましたが、その一方で、真剣な表情でピアノをみつめてる子供たちをたくさん見かけたのが印象的でした。私の近くにいた子は(まだ4〜5歳だったでしょうか)、父親に肩車をせがんで燃えるピアノを見ようとしてました。その子の記憶の中に、この日の出来事がどんな風に残っていくのでしょうか。

途中、お寺のお坊さんがお経を上げて供養する場面があったりしながら、およそ一時間くらい、大勢の観客がピアノの運命に立ち合っていたのですが、いよいよ陽が落ちて暗くなり始めた頃合で、スタッフたちが火消しの作業に入りました。

しっかし、その消火活動が一つの見せ場でもありました。最初に1本目の消化器を吹き付けたのだけど、炎は弱まるどころかますます勢いを増すかのように燃え上がりました。そしてものすごい量の煙。火の勢いが治まるまでに、5〜6本の消化器を使ったでしょうか。

ついに息絶えたかのようなピアノの残骸・・・。
祭りのあとのような寂しさが込み上げてきます。最後にショベルカーまで投入して撤収作業。バキバキと音を立てて、燃え残ったピアノの残骸が崩れ落ちて行く様は、ちょっと切なかったです。葬儀の時に、灰になった骨を骨壺に押し込んでるときの場面を、ふと思い起こしたりしました。

さすがにこの頃には、ほとんどの観客はいなくなっていたのですが、私は最後までそこに立ち会えてすごく良かったと思ってます。その一連の出来事の全てが、「ピアノ炎上2008」という素晴らしい舞台の体験だったのだと感じました。

演奏の時間は短かったけれど、それだからこその凝縮された一瞬を楽しむことができたのだと思います。そして演奏後も大勢の人が火を囲んで一緒に過ごした時間は、遠い日のお祭りのような、なつかしくてあたたかいひとときでもありました。

暮れゆく海岸と、燃えるピアノ——。本当に美しい光景でした。

(つづく)

金沢〜能登〜ピアノ炎上〜粟津潔展(その1)

金沢・能登に行ってきました。
たった二日間の日程でしたが、とても密度の濃い時間を楽しむことができました。
素晴らしいことがたくさんあって、いっぺんには書きれないので、何回かに分けて記事を書いていこうと思ってます。でも、あまり間が空くとノリが悪くなるので、とりあえず二日間の旅をダイジェストで。。。
 
今回の旅の目的は、金沢の21世紀美術館で開催されている「荒野のグラフィズム:粟津潔展」を観に行くこと、そしてその関連企画「山下洋輔、燃えるピアノに新たに挑戦[ピアノ炎上2008]」に参加することでした。

ずっと行きたいと思っていた21世紀美術館!

 

 
「ピアノ炎上」は、能登半島の増穂浦海岸で開催されました。
http://www.kanazawa21.jp/ja/03news/pdf/burningpiano.pdf  

見てください、この海岸の美しさ!
澄み渡った海と青い空、まぶしいほどの白い砂浜・・・ここへ来て良かったと、心から思った瞬間でした。
 

夕方になるにつれて、海岸には大勢の観客が集まってきました。集計では450人以上になったそうです。そして様々なメディア、報道機関の人たちも来ていました。
(上演中は基本的に撮影禁止だったので、実際にどんなだったかお見せできなくてごめんなさい。掲載しても良さそう写真があれば、あとでアップします。)


増穂浦の砂浜にはこんな風に小さな貝がたくさん。増穂浦は日本小貝三大名所の一つとして有名なのだそうです。

もちろん美味しいものも食べてきました。活きている甘エビを、贅沢にも網焼き♪


 
市内観光をする時間はほとんどなかったのですが、展示を見終わった後帰りの電車まで少し時間があったので、美術館の隣にある「兼六園」に行ってみました。
え〜と、庭園らしい写真もあとでアップしますが、まずはその超部分的世界を!(笑)


「荒野のグラフィズム:粟津潔展」は、3月20日まで開催されています。本当に素晴らしい展覧会ですので、都合つく方はぜひ行ってみてください!
★詳細HP→http://www.kanazawa21.jp/exhibit/awazu/index.html

拙者ムニエル「ヤバ口さんちのツトム君」

先週木曜日に、大学のサークルの後輩・寺部智英くんが出演する演劇、拙者ムニエル「ヤバ口さんちのツトム君」を観に行ってきましした。会場は下北沢の「駅前劇場」。今回も会場は若い人たちで一杯でした。いつも中年オヤジコンビで観に行くので、会場では浮きまくります(苦笑)。ま、かれこれ10年くらいに公演の度に足を運んできたので、そんな状況にも慣れましたが。慣れないのは小劇場ではお決まりのクッションのない椅子です。毎回途中でお尻が痛くてたまらなくなります・・・。

今回の公演はシーン事のつなぎがすごくテンポよく、特に前半は笑いにスピード感があって良かったと思います。後半少し間延びした感じがしましたが、アルバイト探しに苦労した経験のある人には身につまされるエピソードがたくさんあって面白かったです。。

拙者ムニエルは94年、早大生を中心に結成されたナンセンスギャグ劇団。若手お笑い系として、とても人気のある劇団です。寺部くんは、劇団のレギュラーとして活躍する一方で、NTT DoCoMo他のCMにも多数出演しています。Mr.ChildrenのCD 「箒星」のジャケット・PVに出たときには驚かされました。役者としてのキャリアを積む一方で、グラフィックデザインの分野でも活躍の場を広げています。私も自分の仕事が忙しくて手が回らなくなった時、彼に手伝ってもらったりしました。仕事仲間として、とても信頼している一人です。Mac話で盛り上がれる貴重な友人でもあります(笑)。
役者として、デザイナーとして、これからどんな活躍を見せてくれるのか、楽しみに見守って行きたいと思います。


写真は開演前の会場の様子。(公演中は写真撮れないので)

イングマール・ベルイマン死去

070301.jpgさっきニュースで知ったのだけど、スウェーデンの映画監督、巨匠ベルイマンがお亡くなりになったのだそうだ・・・。思い入れのある監督の一人だったので、とてもショックだ。享年八十九歳とのこと。また一人、20世紀を代表する巨人がこの世からいなくなってしまうのは、寂しくてたまらない・・・。

私はベルイマンの作品の中で、「処女の泉」や「野いちご」などの代表作以上に、「沈黙」という1962年の作品がとても印象に残っている。「鏡の中にある如く」「冬の光」に続く、神の沈黙・三部作のひとつ。正直な話、ストーリーはあまり覚えていないのだけど、作品に込められたテーマが強烈に心に響く作品だった。

「私たちの日常は、昨日と今日と明日とが「連続」したものだと思っている。少なくとも、そう思おうとしている。しかし現実には「非連続」な局面が人生にたくさんあるのだ。そうした場面に直面すると私たちは苦悩し、そして「神」を求める。・・・けれども「神」はいつだって沈黙だ。だから代わりに「愛」でもってその埋め合わせをしようとする。ところが、私たちはそこに至って決定的に裏切られるのだ。互いが掲げ合った「愛」は、苦悩を解消するどころか、ますます別の溝を深めてしまう。「愛」がつくり出すのは、いつも無駄と矛盾だ。そして「神」はやっぱり沈黙したままなのだ・・・」

——これは私が20代半ばの時に映画を観た後に書いたメモなので、青臭い言葉で恥ずかしいのだけど、映画を観た後に私が感じ取った作品のテーマでした。神を信じず、愛を信じないベルイマンは、日常の中での偽りの幻想を剥ぎ取り、人生の苦悩を容赦なく描き出し、私たちがそのことにどう向き合って行くのかを問うていたのだと思う。
 
D110471209.jpgその他のベルイマン作品では「ファニーとアレクサンデル」(1982年)も私の大好きな作品です。この作品は5時間に及ぶ大作でした。初期のベルイマン作品へ思い入れのある人には評判悪いのですが、私は映画史上に残る傑作だと思っています。現在DVDで流通してるものは3時間に編集された短縮版しかないそうで残念なのですが。私はVHSに落とした完全版がまだ手許にあるので、今週末は久しぶりに見返してみようかなぁ。

ベルイマンに続いて、昨日はミケランジェロ・アントニオーニが亡くなったのだそうです…。アントニオーニも愛の不毛をテーマに描いた作家でした。彼の場合は、強烈な女性讃歌が根底に(表層にも)あって、愛に満ちた作家だったと思いますが。たくさんの人に愛された監督でした。相次ぐ映画界の巨匠の死に、胸が痛みます…。

ライブ2つ。他いろいろ。

「オーケストラ ダヴァーイ 第一回演奏会」に行って来ました。“オーケストラ ダヴァーイ”は、ロシアの音楽を演奏することを目的として結成したオーケストラなのだそうです。その旗揚げ公演に、ソプラノ歌手の中村初恵さんが出演されるというので、文筆家&映像作家の竹浪明さんをはじめ、友人4人と一緒に会場へ向かいました。

会場は大田区蒲田のアプリコ大ホール。この日のプログラムは、リムスキー=コルサコフ/『ロシアの復活祭」序曲、グリエール/コロラトゥーラソプラノとオーケストラのための協奏曲、チャイコフスキー/交響曲第4番ヘ短調。指揮者は森口真司さん。

まず最初の曲、『ロシアの復活祭」に魅了されました。曲の展開が変則的で、メロディーラインにエキゾチックな響きを感じ、普段私たちが聞き慣れてる西洋クラシックとはかなり違う印象。アルメニアの奇才・パラジャーノフの映画の中の風景が一瞬思い浮かんだりしました。そして中村初恵さんがソプラノ独唱をしたグリエールの曲は、最高に素晴らしい演奏でした。深遠なところから込み上げてくるような幽玄な美しさ。歌詞のない曲を、見事なヴォーカルの表現力で歌い上げてくれました。初恵さんの声の魅力は「清らかさ・清純さ」だと以前ここに感想を書いたのですが、今回の演奏ではまた新たな地平を見せてくれたように思います。演奏後、大きな拍手がいつまでも鳴り響きました。


 
コンサートの後は、皆で大崎まで移動してギネスの飲めるお店で乾杯。お店のある場所はテラス風な広場になっていて、噴水を挟んで向こう側の別のお店では、結婚式の2次会らしきパーティーが催されてました。そして間もなく、広場に大勢の人が流れ出てきました。あ、新郎新婦が登場するのだな、と私たちも遠くから楽しみに見物してたら、なんとまぁ、私たちがいるすぐ近くの階段から新郎新婦が降りてくるではありませんか。自分たちのテーブルのすぐ脇を通って広場に降りて行くコースだったので、ここぞというタイミングで「おめでとう!」を言わせていただきました(笑)。パーティーに集まった皆さんより先に、私たちがお祝いしてるのはとてもおかしな光景でしたけど。思いがけずめでたい空気を吸わせてもらえて、何かご利益にあずかりたいものです。。

 

この日、私はもうひとつライブの掛け持ちでした。まだ少し時間があったので、竹浪さんと二人で高円寺に移動。そこで仕切り直して乾杯。映画の話、音楽の話に、楽しく語り合いました。あっという間に時間は過ぎてしまって、私はあわただしく次のライブ会場へ。インディーズ系CDを多数揃えている、その方面ではとても有名なお店「円盤」での、銀塩つばめ・他、4組出演のライブ。

銀塩つばめさんは、MySpaceで知り合えたミュージシャン。はじめて曲を聴いた瞬間、自分の琴線にふれる音楽でした。今回のライブはたった50分間の演奏でしたけど、新曲も数曲聞けて充実した内容でした。生で聴く演奏はやはり素晴らしく、銀塩つばめさんの可憐でもの憂げなヴォーカルに聴き入りました。そしてギターのTanschさんのサイケな音との、二人の兼ね合いがとても良かったです。


 

「円盤」店内のディスプレイ(アート作品?)

高円寺の「円盤」にはずっと行きたいと思いつつ、やっと今回行くことができました。“ゑでぃまあこん”の自主制作盤のCDも手にすることができて喜んでます。“ゑでぃまあこん”は、今年になってたまたま知って聴き始めたのですが、実は私の友人の友人であることが後に判明してびっくりでした。そして“ゑでぃまあこん”と銀塩つばめのお二人が友人であることをこの日知って、またまたびっくりでした。人はつながってる、世界はつながってるんだなぁ、となんだか感動しました。
いろんなことが盛りだくさんな一日でした。

★銀塩つばめ http://www.myspace.com/ginentsubame
★ゑでぃまあこん http://www.myspace.com/eddiemarcon

「ヴィスコンティの遺香」内覧会&レセプション

先週金曜日に、「ヴィスコンティの遺香」篠山紀信・写真展の内覧会&レセプションに行ってきました。会場は九段下にあるイタリア文化会館。ヴィスコンティの生誕100年を記念したイベント一つなのだそうで、篠山紀信「ヴィスコンティの遺香」という写真集の復刊記念展覧会でした。

「ヴィスコンティの遺香」は、ヴィスコンティの没後6年が経過した1982年、遺族の全面協力の得て、ヴィスコンティの生家、別荘、遺品、秘蔵のアルバム等を撮影した写真集。ヴィスコンティの映画には、滅びゆく貴族社会の光芒を描いた作品が多くありますが、ヴィスコンティ自身が本物の貴族で、映画さながらの生活を生きていたそうです。そしてその豪華絢爛たる屋敷は、それ自体がまさに美術品でした。うらやましいというようなレベルではなく、常軌を逸した豪華さ。普通の人間がそこにしばらく暮らしていたら、おそらく頭がおかしくなるでしょう。写真を見てるだけでも目眩がするようでした。。。
 
レセプションパーティーはイタリア文化会館前の屋外広場で開催されました。関係者のコネで私も混ぜてもらえたのですが、セレモニーのとき私がたまたま立ってたすぐ隣に篠山紀信氏がいてびっくりでした。セレモニーの後は美味しいワインや料理がたくさんふるまわれ、思いがけず知り合いにもたくさん出会うことができ、とても楽しいひとときでした。料理もワインもとても美味しかったです。ここぞとばかりに、ワインがぶ飲みさせていただきましたよ(笑)
 
★会場での写真をFlickrのアルバムにまとめました。
http://www.flickr.com/photos/jamsand/sets/72157600936320115/show/
http://www.flickr.com/photos/jamsand/sets/72157600936320115/

写真展は8月19日まで開催されています。また、同会場では7月24日から8月2日まで「ルキーノ・ヴィスコンティ映画祭」も開かれています。ご興味ある方はぜひ足を運んでみてください。詳しくは《カンバセーション》のサイトなどで。
http://www.conversation.co.jp/

安房直子朗読館 その5

 

ご案内が遅くなってしまいましたが、今週木曜と、8/5(日)に、「安房直子朗読館 その5」というイベントが開催されます。私は前回の朗読会に参加して、いたく感銘受けました(その時の記事は→こちら)。安房直子さんの作品に私は初めて触れたのですが、そのテンポのいい言葉のリズムと、あたたかで優しいものと物悲しくて不可解なものとが入り交じった作品世界に、すっかり魅了されてしまいました。近江竹生さんの朗読も素晴らしく、音楽の入れ方等も新鮮な印象でした。

今回、柏市と荻窪との2カ所の公演です。ご興味持ってくださった方、ぜひ足を運んでみてください。

■朗読作品
ふしぎな文房具屋 おおつかまきこ
夏の夢      近江竹生
音楽       TOMOFUMIn
 
■7月26日(木)
場所:柏/スタジオウー
時間:19時30分(開場は30分前)
料金:大人1500円 子供(高校生以下)1000円
     
■8月5日(日)
場所:荻窪/かん芸館
時間:14時と18時の2回(開場は各30分前)
料金:大人1500円 子供(高校生以下)1000円

★詳しくはこちら→http://www.h7.dion.ne.jp/~takeo03/

TV版「横溝正史シリーズ」

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先月から、WOWOWで毎週月曜日に「横溝正史シリーズ」(古谷一行主演、1977〜78年)がオンエアされてます。毎週これを見るのが今一番の楽しみ。再放送される機会は少なかったと思うので、私はずいぶん久しぶりに見たのですが、クオリティの高さにあらためて驚かされています。

この「横溝正史シリーズ」を私がリアルタイムに見たのは、小学6年生か中学1年くらいの頃。とにかくやたら怖かったのが鮮烈な印象でした。確か土曜の夜の10時からの放送。当時は7時から「まんが日本昔話」を見て「クイズダービー」、「8時だよ!全員集合」、「Gメン75」を見て、そして「横溝正史シリーズ」というのが定番な流れだったような(笑)。今考えると豪華なラインナップだなぁって思う。TVが本当に面白い時代だったんでしょうね。

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私は市川崑が監督し、石坂浩二が主演した映画版の金田一耕助シリーズ(「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」「獄門島」他)にとても思い入れがあって、特に「犬神家の一族」(あ、もちろん昨年リメイクされたやつではないですよ!)は、傑作だと思っています。私にとっては邦画のベスト10に入るくらい好きな作品。映画版に比べるとTV版「横溝正史シリーズ」は、あくまでTV番組だから・・・と思っていたのですが、今回の再放送を見て自分の認識が変わりました。画面のつくりはTV番組とは思えないほど力が入っていて、キャストも豪華。美術にも、相当お金がかかっているのがわかります。おそらく映画を撮影するのと同じレベルのカメラ、撮影環境を使っているのではないでしょうか。今のTVドラマの水準からは、とても信じられないクオリティの高さです。映画版にもまったく引けを取らない内容だし、タイトルによってはTV版の方が良かったものがあるように思います。もっと評価されて良いのではないかと思いました。

先週から「八墓村」のシリーズが始まりました。ストーリーは知ってるのに、続きが本当に楽しみ。茶木みやこが歌っているエンディングも素晴らしいです。WOWOW見れる環境の方、ぜひチェックしてみてください!

ドゥシャン・カーライと絵本学会

6/30の土曜日、武蔵野美術大学で開催された「第10回絵本学会大会」に参加してきました。 「絵本学会」のことはよく知らなかったのですが(すみません…)、そのプログラムの中で、ドゥシャン・カーライの講演と作品展(版画30点と絵本)があるとのことで、はるばる武蔵美のキャンパスまで出かけてみました。
★絵本学会 http://www.u-gakugei.ac.jp/~ehon/index.html

しかし当日雑用でバタバタしてたら出かける時間が大幅に遅れてしまい、しかも武蔵美のキャンパスまでの道のりは思ってた以上に遠くって、やっと会場に着いたときはカーライの講演はもう終了間際でした。でもほんのちょっとだけでも憧れのカーライの言葉を直に聞くことができてひたすら感激しました。もう、なんというか、同じ空気を吸えただけで幸せです。絵本における絵の表現方法について、とてもシンプルな内容だけれど、はっとさせられる言葉を聞くこともできました。そういう生の言葉って、ただ本とかで読むのとはまったく違う印象で、自分の内側に染み込んできます。こんな機会に立ち会うことできて本当に良かった。

そして講演後の休憩時間に作品展をじっくり鑑賞。銅版画作品だけれど、カーライの本物の作品をはじめて目にして、感動というより圧倒されました…。う〜ん、どうしてこんな作品が描けるんだろうと、ため息つくばかり。細部の緻密な描き込みと部分部分の余白の取り方に緊張感があって、画面の隅々まで見入ってしまいます。画面のどこかに中心を置いて世界を構築してるタイプの絵とは明らかに違っていて、不可思議な世界への入り口があちこちに多層的に仕掛けられています。有機的なものと無機的なものとの狭間を描いている画家だと思います。

ドゥシャン・カーライは、私の大好きな画家の一人。たくさん影響を受けました。私は子供の頃から色を使うのがすごく苦手で、美術の授業でも先生から「色を塗るまではいい絵だったのに…」と何度も言われてました。大学に上がる頃にはもうすっかりコンプレックスになっていたのですが、カーライの絵本に出会った時、「あぁ、こんな風に色を操れたらどんなに素敵だろう!」と強く刺激を受けました。そしてカーライの絵に憧れて模写をしたりしてるうちに、ある時突然、色を使うことがすごく楽しく思えるようになったのでした。カーライに影響受けただなんて、とても恐れ多くて大きな声では言えないのですが、自分にとってはその頃の試行錯誤が、その後の自分に大きな影響を与えてくれたと思ってます。
 

hon342.jpgあ、カーライへの思い入れが高じて、絵本学会の話から逸れてしまいました。そのあと講演会の第2部は「絵本表現の方法論(2)」。講師は長谷川集平さん。講演の内容は期待以上に面白く、興味深い話をたくさん聞かせてもらえました。

長谷川集平さんの作風は自分の好みからはちょっと遠いので、私はあまり作品を見ていません。でも彼が絵本表現において大変な理論家であることはよく知っています。というのは、70年代に「月刊 絵本」(すばる書房)という素晴らしい雑誌があって、その誌上で理論展開されている文章をたくさん読んでいたからです。私はその雑誌を現役で読んでいたわけでなく、80年代になってから、たまたま古本屋でみつけました。その後何度も読み返して「絵本の表現理論とは・・・?」なんてことを生意気にも(当時高校生)悶々と考えていたものです。そしてその雑誌で展開されていた「絵本モンタージュ論」をまとめた「絵本論」(松本猛・著 ※いわさきちひろの息子さんです)という本に感銘を受けたりしました。当時は絵本というものを、「子供のための」という前置きに捕われることなく、ひとつの芸術表現として確立させていこうとする熱意ある人が、とても多かったように思います。

そしてびっくりしたのですが、今回の長谷川集平さんの講演の中身の中心は、その「月刊 絵本」と「絵本モンタージュ論〜絵本論」の話でした。70年代には絵本表現の理論構築の考え方が盛んだったのに、何故かその後そうした潮流が途絶えてしまった。そういう意味で絵本の世界には空白の時代があって、その反省を元にもう一度「絵本表現とは何か?」ということを考えようと、作家や学者たちが90年代の後半になって動きはじめた。それがこの「絵本学会」につながっている、という話だったのです。そういう一連の流れを聞いて、私自身もいろいろ考えさせられました。かつて思い入れのあった世界にぐるっと戻ってきたことを、喜ぶべきなのか悲しむべきなのか。この20〜30年間、いったい私たちは何をやってきたんだろう・・・と、いろんな思いが込み上げてきます。

絵本の世界だけの話ではないです。美術も映画も音楽も、私たちの社会そのものが、同じような「思考停止」と「記憶喪失」を経験してきたように思います。単なる「懐古」ではなくて、本来あったはずの良いものを取り戻す手段として、過去の時代をみつめ直す作業は大事なことに違いありません。これからいろんな場面で、そうした「回帰」と「再生」の作業が重要になってくるのではないでしょうか。もちろんそんなこと、ほとんどの人がとっくに気づいてるでしょう。あとは行動するだけですね。他人事ではなくって。
 

※今回いろんな思いや考えが交錯してて、支離滅裂な文章でごめんなさい!
文字がいっぱいになったのでオマケの絵です。サイトのギャラリーに掲載してるのとは別バーションの「赤ずきん(習作)」。大学3年生のときの絵です。色を使うことの苦手意識が、この頃を契機に変わっていった気がするのです。

バッハとコーヒーの楽しみ

アンサンブル「光のオルガン」主催のコンサート「バッハとコーヒーの楽しみ」に、ソプラノ歌手・中村初恵さんが出演されるというので、竹浪明(映像作家・文筆家)さんと一緒に行ってきました。3月に初恵さんのコンサート(→こちら)に行って以来、私もすっかり応援団の一員になってしまいました(笑)。会場は吉祥寺のラ・フォルテ(音楽ホール&イタリア家庭料理)。

曲目は、バッハ:オーボエとヴィアオリンのための協奏曲 ニ短調/ブランデンブルグ協奏曲第1番へ長調/コーヒー・カンタータ、他。

「光のオルガン」はバッハの教会カンタータを中心に演奏活動をされているそうですが、今回は世俗カンタータということで私にも馴染みやすかったです。1曲目はバッハらしい印象の曲でしたが、2曲目はホルンが入ったり、様々な音と曲調が代わる代わる展開していく面白い曲でした。

そして休憩を挟んで、中村初恵さん出演のコーヒーカンタータ。内容はコーヒーの虜になり、毎日コーヒーを飲まずにはいられない娘と、それをどうにかしてやめさせようする頑固親父の物語。声楽曲ながらちょっとしたパフォーマンスも加わって、二人のやりとりがとても楽しくて、聴き応え&見応えのある内容でした。初恵さんの清らかで瑞々しい歌声が、物語をよりいっそう魅力あるものにしてくれました。そして娘・リースヒェン役を、とても表情豊かにチャーミングに演じていて素敵でした。

コーヒーカンタータは「世俗カンタータ」と呼ばれる楽曲の中でも非常に有名なものなのだそうです。曲もさることながら歌詞がすごく素敵なのです。たとえばこんな一節。。。

「お父様、そんなに厳しく言わないで!
 私は一日に3回 コーヒーが飲めないのなら
 それはもう苦しくって 干からびたヤギの焼肉みたいになっちゃうわ!」

「ヤギの焼肉」なんていう表現が、とってもユーモラスですよね。本当に素敵な世界。このちいさな物語に絵を付けて、絵本にしたいくらいです。この曲が演奏された時代に、皆がどんなに熱狂しながらこの曲を聴いていたのかを想像すると、楽しくてたまりません。民衆にとっては最高のエンターテイメントであったことでしょう。そしてこの時代の音楽演奏会は、様々な表現要素が混じりあう、優れたマルチメディアでもあったのだと思います。
 
コンサートの後には「コーヒーとお菓子」タイムがあって、演奏者の方達も参加しての楽しい時間を満喫しました。デザートはビュッフェスタイルで、美味しいケーキやフルーツが食べ放題でした。飲み物はコーヒーと紅茶が選べたのですが、「あの演奏の後だから当然コーヒーですね♪」と、同じテーブルに座った皆で語り合いながら美味しいコーヒーをいただきました。ところが、遅れてテーブルについた初恵さんはいきなり紅茶を選んで、皆が「アレ??」という反応をしてしまって、笑いを誘う一幕もありました。

※演奏中の写真は撮れなかったので、イラストは「コーヒー好きな娘」のイメージってことで。このイラスト描いた時は紅茶を飲んでる女の子のつもりだったのですが、今後はコーヒーだったことにします(笑)
 

それから皆さんにご案内です。中村初恵さんが出演されるコンサートが7月28日(土)にあります(会場/大田区民ホール アプリコ大ホール)。とてもうれしいことに、ご希望の方はご招待いただけるとのことです! 日本ではほとんど演奏されることのないグリエールの“コンチェルト”他、演奏される曲目も素晴らしい内容なのだそうです。ぜひたくさんの方に聞いていただきたいので、行ってみたい方いらっしゃいましたら私にメールくださいませ。予定がまだわからないという方も、ぜひご連絡ください。チラシお送り致します!

★私へのメールは→こちら

朝生愛グループ with 割礼

先々週になりますが、《UFO CLUB presents 2マンシリーズ第1弾 割礼vs朝生愛グループ》というライブに行ってきました。朝生愛は今年になって聴き始めたミュージシャンですが、その切々としてストイックな音がすっかり気に入ってしまって、しばらくの間激しくリピートで聞いたりしていました。タイミングよくライブがあることを知って、とても楽しみに出かけてみたのでした。

会場は東高円寺のUFO CLUB。時間ギリギリに行ったつもりが東高円寺と新高円寺とを間違えて駅を降りてしまって、しばらくその間違いに気づかなくて(アホですな…)ウロウロしてしまったせいで、開演時間をかなり遅れてしまいました。ドアを開けたらすでにドアの手前までぎっしりと満員の人。しかも朝生愛の出番がもう始まってしまってました。

私は大きな勘違いをしていたのだけど、この日のライブのメインは朝生愛の方だと思っていたら、実は「割礼」というバンドの方がメインだったようで、客の多くがそっちを目当てで来てるようでした。なんとなく会場全体に漂う違和感に面食らってしまって、音楽を楽しめる気分になるまで少し時間がかかってしまいました。

はじめて生で聞く朝生愛は、やはりとても良かったです。CDの印象通りで、ご本人はあくまで淡々と演奏してました。はじめての曲も数曲聞けて、行って良かったと思いました。ただ、バックの音が朝生愛の音楽性とイマイチ合ってなかったような…。なんというか、あまりにもまっとう過ぎると言うか・・・面白みに欠けるものでした。もっとストイックな形に徹するか、あるいは内面的な高揚感のあるサイケな音を出してくれたらなぁっと、聴きながらそんなことをぼんやり考えました。私の体調があまり良くなかったせいかもしれませんが。
 
そんな感じで、第1ステージはあっという間に終了。もう帰ろうかと思ったのですが、せっかく同じ料金払ってるんだからと、その「割礼」というバンドの演奏も聴いて帰ろうかと思ったのですが・・・残念ながら、私にはまったく合わない内容でした(ファンの方がここを見ていたら、ごめんなさい…。単に好みの問題なので)。がんばって30分ぐらいは粘ったのですが、力尽きて途中で出てしまいました。同じく会場を出る人が何人もいました。けっして「割礼」の演奏や音楽が悪いわけではないのです。ただ、前のステージとはあまりにも音楽性が違うと思うのです。どうしてこういうカップリングになったのかは知りませんが、もうちょっと傾向の近い人を組み合わせた方が良かったんじゃないかと、私は勝手に思ったのでした。

なんとなくモヤモヤとした気持ちを抱えながら会場を出た後、そういえば高円寺だからきっとラーメンの美味しい店が多いだろう、て思って適当な店に入ってみたのですが・・・これがまた大ハズレなお店でした(笑)。マイナスな気分に追い討ちをかけられたようで、がっかり…。まぁ、こんな感じで、どうにも歯車が噛み合わない日ってありますよね。私の体調が悪かったのでしょう。きっと。
 
ラヴェンダー エディション/朝生 愛
Lavender Edition/Ai Aso
(PDL-0401) 2004年

2100円 (with tax)

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