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【横山ひろあきのjam-pot(その2)】は、以下のアドレスに引っ越しました。

https://www.jamsand.info/jampot

引き続き、どうかよろしくお願いします!

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トロリーバスに乗って10〜15分ほどで、旧市街の外れにあるバスターミナルに到着。ここで中・長距離用バスに乗り継ぐ人が多いようで、大勢の観光客で賑わっていました。周辺には軽食のお店や、衣料品や土産物など売る露店が並んでましたが、あまりめぼしいものはなし。すぐ横には有名なルブリン城がそびえています。

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ここで昼食を取りつつ少しだけ観光して、すぐ次の目的地へ向かう計画。とりあえず重いスーツケースが邪魔なので、ターミナルの建物に預けようと思ったのですが・・・なんと荷物預かりはコインロッカーのみ。しかも個数が少ないのですべて埋まっている...。仕方ないので、スーツケースをゴロゴロ引きずりながら歩き回ることに。。

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「ギャートルズの肉」のような看板が面白い。ルブリンの情報を持ち合わせておらず、街の中心部から外れた静かな街並みをしばらくさ迷いました。

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結局、元来た道を戻って、ルブリン城がある北東側の門から旧市街へ。しっかし、真夏のような暑さの中、重い荷物を抱えて急勾配の坂道を上っていくのは大変でした...。ルブリンの旧市街は中心部からルブリン城側へ向かって、下りの傾斜になっているのです。

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もうどこでもいいから座りたい・・・と思って飛び込んだパブ&カフェで、まずは給水。。ポーランドのビールは、基本的にクセがなくスッキリとした味わい。滞在中に何種類か飲みましたが、私が回った街ではジヴィエッツが多かった印象です。

行き当たりばったりで入った店だったけど、このホームメイド・チキンバーガーがむちゃくちゃ美味しかった。そして店員のおねえさんが「Super delicious!」と勧めてくれたピザも。ヨーロッパ全域がそうなのかもしれないのだけど、ポーランドでもピザが大人気のようでした。

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ひと休みできたので、旧市街をぐるりと歩いてみました。

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有名なクラクフ門。完成までに数世紀を経たために様々な様式が混ざっています。

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ルブリン旧市街地のRynek(中央広場)と旧市庁舎。ルブリンは1569年に成立した「ルブリン合同」が交わされた地として有名。この条約によって、ポーランド王国とリトアニア大公国はポーランド・リトアニア共和国として統合。ルブリンが両国の地理的な中央に位置したことから、通商の重要な拠点として街は大きく発展したのです。

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建物外壁の色合いのバランスや、優美な装飾が素晴らしい。経年で痛んでる部分も多かったけど、その廃れ具合が余計に歴史の深さを感じさせてくれます。ルブリンは、ザモシチへの中継地として立ち寄っただけだったのですが、このかわいらしい街並みが私はすっかり気に入ってしまいました。ここで一泊すれば良かったと思ったほど。

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ガイドブックでは、ルブリンの街の紹介は非常に淡白で、ルブリン城とクラクフ門くらいしか見所がないような扱いだけど、実際はとても魅力にあふれた素敵な街でした。少しの時間だったけど、この街を歩くことができて本当に良かった。

旅の3日目。この日はワルシャワからポーランド南東部の街ザモシチ(Zamość)へと向かいます。ホテルをチェックアウトして、まずはワルシャワ中央駅へ。

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ワルシャワ空港のサインデザインはオレンジで統一されてましたが、セントラル駅はブルーでまとめられてます。駅の設備は新しく、長距離切符の販売機なども新しいシステムが使われていて、とてもわかりやすかった。

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ワルシャワからルブリン(Lublin)という駅まで移動します。無事に切符も買えて、プラットフォームへ降りて行ったのだけど、なぜかまったく電車が動いている気配がない。ヨーロッパの鉄道事情はこんなものだろうと気長に構えていたのだけど、どうも様子が変・・・。実はこの日、どこかで大きな事故があったらしく、すべてのダイヤが大混乱していたのです。結局40分以上遅れてようやく列車が到着。直前に予定とは違うプラットフォームに電車が来るとアナウンスが入って、大勢の人たちと一緒に階段を走って移動。どうにか駆け込みで間に合いました。。。

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私が乗った列車は、古びたコンパートメントの車両でした。そういえば、ヨーロッパの鉄道に乗るのは、私にとってこれがはじめての体験。「世界の車窓から」とか見ながら、自分もいつかローカルな列車に乗って旅をしてみたい・・・とずっと憧れていました。やっと夢がひとつ叶ったようで、列車に揺られながらじわじわと感動がこみあげてきました。

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ルブリンまでは2時間半くらいの道程。車窓には長閑な田園風景が延々と続きます。ワルシャワは都会でしたが、そこから一歩外に出ると、悠久な大地が広がっていました。

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眠くなるほどに変化のない田園風景が続くのですが、私は鉄道の旅にすっかり興奮してしまって、じっとしていられません。駅に停車する度に窓から体を乗り出して周りを見渡してみたり、意味もなく列車内を歩いてみたり。

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古い車両でしたが車内は改修してあって、想像してたより快適な乗り心地でした。ただ、列車内のほとんどのトイレは何かしらの不具合がありました。水が流れなかったり、ドアが閉まらなかったり、手が洗えなかったり。ま、何件かハシゴすれば用は足せます。

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ホームのまん中に、ウサギがいるのわかりますか?

通路側の窓でずっと外の景色をみていたら、隣りの窓で同じようにずっと景色を見てた男の子がいました。ふと横を向いたタイミングで目があって、お互いににっこり。その一瞬だけ、少年の心で通じ合えた気がしました。。

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ダイヤの乱れの影響もあって予定より時間かかりましたが、ようやくルブリン駅へ到着。ルブリン駅から市街地までは3kmくらい離れてるので、ここから市街地行きのバスへ乗り換えます。

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優美な外観のルブリン駅。バス乗り場は駅前の広場から歩いてすぐのところにありました。

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ワルシャワ歴史地区・新市街の外れまで来たところで折り返し、もと来た道を戻って再びクラクフ郊外通り〜新世界通りを歩きました。

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ライオン像の向こうに見えるのが大統領官邸。かつては貴族ラジヴィウ家の館だったそうです。

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通りがかりで入ってみた教会。あとで調べてみたら、ここは神学校の教会でした。建物自体は再建されたものだと思いますが、学校の歴史は16世紀にさかのぼるようです。

Wyższe Metropolitalne Seminarium Duchowne św. Jana Chrzciciela

やはりワルシャワへ来たら外すことのできないのが「ショパン博物館」。メインストリートから路地を曲がるポイントに失敗して、迷いまくった末にようやくたどり着きました。街の中心部からちょっと外れた静かな場所。ガイドブックには「入場には事前の時間指定が必要」と書いてありましたが(あとで知った)、私が行ったときは予約なしで普通に入場できました。

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展示内容は、ショパンに思い入れが深い人にとっては素晴らしく充実した内容だったと思います。何かに取り憑かれたかのように、凄まじいエネルギーと集中力で書かれたショパンの楽譜に圧倒されました。ただ・・・展示の仕方が凝り過ぎてるというか、余計な仕掛けが多すぎて、かえって展示を楽しめなかったようにも感じたり...。

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そしてもうひとつ、必ず行こうと思っていた場所がありました。それは、この記事→《「ワルシャワで、「家みたいな書店」と出会う》を読んで知った「Tarabuk」という本屋さん。

場所は、ワルシャワ大学の近く。といっても、ワルシャワ大学キャンパスは広大な敷地で、新世界通りからそのお店があるキャンパスの反対側まで回ると結構な距離。でもここに行くのはずっと楽しみにしていたので、歩きながら期待に胸が高まりました。

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ようやく見つけた「Tarabuk」。閑静な住宅地の思われる街並みに、ひっそりと佇んでいました。

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書棚には文芸書から実用書、思想書、写真集までいろいろ。単純にジャンルによる分け方ではなく、何かしらのテーマで並べられているようでした。京都の恵文社とイメージが近い感じでしょうか。本を開いても私には中身を理解できないので、想像するしかないのですが。

私が楽しめたのは子供用の絵本がある部屋と、ビジュアルな本が並ぶ書棚。

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子供用の本は独立した部屋になっています。子供用の低い椅子とテーブル、クッションが積んであるソファもあって、とてもくつろげるスペースになっていました。

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小さなフロアですし、大型書店の品揃えとは比較にならないのだろうけど、ここに置かれた本はこの店の店主とスタッフが自信を持ってセレクションしたものなのでしょう。そしてそれらの本を介して、ここに集う人達とお店のスタッフとが、ゆるやかな信頼関係が結ばれているように感じました。

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そんな空気感が心地よくて、私もその中から絵本を数冊選んで、自分へのお土産に。店主さんは物静かな方でしたが、日本から来たと話したらとても喜んでくれて紅茶をご馳走していただきました。後日、とてもうれしいメッセージを送っていただいたりも。

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本当に、家みたいな書店だった「Tarabuk」。素晴らしい本屋さん。ずっとそこにいたくなる空間でした。

あちこち歩いてるうちに、いつの間にか夜の8時半を回っていました。すでにかなりの距離を歩いていたので、もうこの頃はクタクタ...。お店を選んでる余力も無かったので、新世界通り沿いにあった小さなレストランに入ってみることに。「Specjały Regionalne」というポーランド料理のレストラン。

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ちいさな店舗でしたが、とても可愛らしい素敵なお店。オープンキッチンになっていて、私たちのテーブルからすぐ近い場所で、陽気そうなシェフたちが腕をふるっていました。そして出てきた料理がどれも素晴らしく美味しくてびっくり!

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適当に入ったお店でしたが、さっきお店の情報調べたら「トリップアドバイザー」で高評価のお店でした。「ワルシャワのレストラン 1,220件中10位」。なっとくの評価。

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途中、両替所を探して街中を彷徨ったり・・・大変な一幕もありましたが、目指していた場所をある程度回れたからよかった。ワルシャワを楽しむには、一日じゃまったく足りなかったことが心残りだけれど。

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旧市街に入ってすぐに目に留まったのが、このいかつい顔の風船おじさん。よく見ると、どこかで見たキャラの風船もありますね(笑)。

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そして、これがワルシャワ旧市街の広場。まさに絵本のような美しさ! 思わず心が躍りました。。。煉瓦色を基調としながら、鮮やかな山吹色や青緑などの色も絶妙なトーンで壁面を彩っています。どことなく、安野光雅の「旅の絵本」を思い出させてくれますね。

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広場中央にある有名な人魚像。人魚はワルシャワ市の紋章にもなっています。「ワルシャワ」 という街の名前の由来に、人魚伝説があるのだそうです。

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歴史の深さを感じる建築群に見えますが、実はこの街全体が復元されたものです。第二次大戦でポーランドがナチスドイツの侵攻を受けると、ワルシャワの街も戦火に包まれます。繰り返される空襲にとどまらず、1944年に市民たちが「ワルシャワ蜂起」を起こすと、ナチス・ドイツはその報復として旧市街一帯を徹底的に破壊し尽くしました。約20万人もの市民が虐殺され、街は壊滅的な被害を被り、瓦礫の山と化してしまいました...。しかし、戦後にポーランド人自身によって街を復元する事業が始まります。歴史的絵画やスケッチなどを手掛かりに、また住民たちの証言を拾い上げながら、何年もの時間をかけて丹念な再建作業が進められました。そして建物一つ一つ、それぞれの装飾の細部、レンガの割れ目に至るまで忠実に再建されたそうです。その市民たちの熱意と努力が讃えられ、この街は1980年に世界遺産へ登録されています。

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この美しい街並みが瓦礫の山から復元されたものだと思い起こしながら街を歩くと、特別な感慨がこみ上げてきます。街の復元には、戦時中に建築科の学生たちが危険を顧みずに、街中の至る所をスケッチして残したことが役立ったのだそうです。

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広場にあった花屋さん。ワルシャワは街角の至るところ、花で飾られているのが印象的でした。

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旧市街の北端にある、バロック様式の砦「バルバカン」。旧市街はかつて城壁で囲まれていて、そのゲートを守る砦として機能していたのでしょう。

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バルバカンを抜けて更に北へと歩いて行くと、その先は新市街地。新市街といっても、こちら側も16世紀から続く歴史ある街並み。メインの通りにはたくさんのカフェやレストラン、土産屋などのショップが建ち並びます。

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ふと窓から素敵な陶器が見えたので、一軒の陶器屋さんに入ってみました。

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狙ったわけではなかったのですが、そこはポーランド陶器の専門店でした。ハンドメイドの愛らしいデザインの陶器がいっぱい。ポーランドの陶器は「ボレスワヴィエツ陶器」とか「ポーリッシュ・ポタリー」などの名称で有名。世界中で愛されていて、偽物も多く出回るほど人気があります。本物を手に取るとやはり魅力にあふれていますね。細やかで個性的な模様がとても素敵。

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ちょうどお昼時になったので、適当に選んだ店に入ってみることに。「Pod Samsonem」というレストラン。こじんまりした店舗でしたが、店内は古き良き時代の生活スタイルを感じさせる内装で、アンティークの小物などのセンスも良くとても素敵な雰囲気。

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ポーランドに着いてから、これがはじめてのポーランド料理。ポーランドの郷土料理と言えば、やはりビーツのスープ、そしてピエロギ。サーモンのサラダ、ビールをつけて軽めのランチ。熱々のピエロギがとても美味しくてびっくり。そしてサラダの野菜がとてもみずみずしくて味が濃い。思い出してみると、今回のポーランド旅行で食べたピエロギの中で、ここのが一番美味しかったかも。

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私たちがお店に入った時点では心配になる程ガラガラだったのに、気が付いたら店内は満席に。。街の中心部にあるロケーションの割には値段もそれほど高くなかったし、とても良い店でした。あとで知ったのですが、この店はユダヤ料理店として有名なお店でした。もっといろいろ食べておけばよかった。。

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メインストリートを更に北へと歩いて行くと、工事中の建物が多くなり、通りを歩く人も少なくなってきました。街全体のトーンもちょっと寂しい感じになってきます。

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観光客向けのエリアではないのですが、裏路地好きな人はこの辺りのしっとりした生活感ある町並みを歩いてみるのも楽しいかも。煉瓦造りの重厚な造りのファザードが印象的な、美しい教会もありました。ワルシャワで一番古いとされる「聖ヤン教会」と外観の造りに似ている部分があるので、おそらくここも歴史の深い教会なのでしょう。

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