私が金沢へ行ったのは、21世紀美術館で開催された「粟津潔、マクリヒロゲル 1 美術が野を走る」の展示と、「高橋悠治×笹久保伸、青木大輔、Irma OSNO/秩父前衛派 パフォーマンス」を目撃するためでした。開演までのしばしの時間、期待に胸が高まります。。

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10月12日、18時15分。いよいよ開演。円形の展示会場のフロアには、不規則に張り巡らされたロープと石。そこに観客も演奏者もランダムに陣取ると、もはや観客という立場で傍観してるだけではいられないことを気付かされます。おもむろに笹久保伸さんのギターが鳴り響き、青木大輔さんが奏するサンポーニャの激しい音がからみつく。異世界へと誘われようなイルマさんのハイトーン・ヴォーカルが響き渡ると、会場は異様な熱気に包まれました。そして高橋悠治が姿を現わすと、会場内の空気の緊張感がさらに高まりました。ピアノの前に座った途端に前置きもなくいきなりの演奏。その一音一音の力強さに圧倒されます。。

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様々な音が折り重なって融合し、ぶつかりあい、もつれあって、収束しつつ広がっていく。会場内の私たちはその音の洪水に翻弄され、ずっと胸ぐらをつかまれて揺さぶられているような感覚。トータルで1時間ほどの演奏でしたが、終始張り詰めた緊張感のみなぎった、素晴らしいライブパフォーマンスでした。この日、この場所で、この瞬間に立ち会えて、本当に良かった。思い切って遠出した甲斐がありました。

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