バルト三国の旅2011 -Category

2011年の9月末に、10日間程の日程でバルト三国を旅してきました。以前のブログにその旅行記を綴ってましたが、途中で中断したまま3年も経ってしまったので・・・もう一度最初からここに書き直してみます。

バルト三国に行ったのは、私にとってはじめてのヨーロッパ旅行でした。少年の頃から憧ればかりが強かったけど、時間とお金、そして勇気がなくて、ずっと行けなかったヨーロッパ。。。チェコ、ドイツ、イタリア、フランス、スペイン、ハンガリー・・・行きたいところはたくさんあるけれど、最終的に選んだのはバルト三国。当初はリトアニアだけの予定だったのだけど、せっかくの機会だし、エストニアとラトビアも回ってみることになったのでした。

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バルト三国に行くには、いくつかのルートがあります。直行便はないので欧州のどこかしらのハブ空港を経由する形になります。私の場合、コペンハーゲン経由してヘルシンキ空港着。ヘルシンキの港から船でエストニアに入っていくルートでした。私が旅の予定を決めた時点ではそのルートが一番安かったのですが、もっと早めに旅券取れるのならば、フィンエアーを使うのが一番安いようです。

成田発11時40分の飛行機に乗って、コペンハーゲンの空港に着いたのが16時頃。時差があるので実質のフライト時間は11時間くらい。覚悟してましたが、長時間のフライトに身も心もぐったり......。でも、自分にとってははじめてヨーロッパの地に足を踏み下ろしたことに、何とも言葉にしようのない高揚感が込み上げて来ました! あぁ、ついにここまで来たんだ...という想いで胸がいっぱいになって、空港内をただ歩いているだけで感動。

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空港内は魅力的なお店が多くって、あちこち寄り道してると乗り遅れてしまいそう。

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ヘルシンキまでは、約1時間半のフライト。ヘルシンキのヴァンター国際空港に到着したのは夜8時過ぎ。空港を出たときの身を刺すような寒さに、はじめての北欧を感じました。

空港からバス約40分で市街地に到着。ここまでは下調べもしていたので順調でしたが、夜の街中で大きなバスターミナルに降ろされると、周りの方向・位置関係がよくわからくなってしまいました・・・。

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とりあえず中央駅らしき建物はわかったのだけど、そこからトラムへの乗り方がさっぱりわからない。しばらく地図見ながら立ち尽くしていたら、そこにロードバイクに乗った優しい笑顔のおじさんが立ち止まって声をかけてくれました。「4番のトラムに乗りたい」と下手な片言で伝えると、「OK。そこまで一緒に行きましょう。」と、親切に道案内してくれたのです。そしてトラムに乗る時も、運転手に「この人は○○○○という宿に泊まるそうだから、○○○○で降ろしてあげて」と声をかけてくれたのでした。知らない国に着いたばかりの時に、現地の人にこんなにも親切にしてもらえてすごく感激。。その人に出会えただけで、ヘルシンキという街のことが大好きになりました。

ヘルシンキ郊外にあった宿に着いたのは、夜の10時過ぎだったでしょうか。不安いっぱいの旅の始まりでしたが、どうにか無事に初日の宿に辿り着きました。

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夜の郊外を走る路面電車は、どこかしら寂しげな気配をひきずっています。〈続〉

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一夜明け、朝の陽光が照らし出した風景を見て、「ここは北欧なんだ!」という実感が湧き上がってきました。前夜のフライトの疲れも何のその、早起きして宿周辺を朝の散歩へ。

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私たちが泊まった宿のあった場所は、ヘルシンキ東側の海にすぐ近いエリアで、街の中心地からは少し外れたところにありました。前夜に見たトラムはもの寂しい感じだったのに、朝はひっきりなしに次々と車両がやってきて、勢い良く路面を走り過ぎて行きます。

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新しい街並のようで、歴史を感じる風情はなかったのですが、ヨーロッパ体験初心者の私にとっては充分にわくわくする景観でした。あまりにもうれしくって、少し散歩するだけのつもりが、一時間くらい歩いてしまったでしょうか。急いで宿に戻って荷造り。

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タリン行きの船が出港するターミナルへ行くためには、まずは一度ヘルシンキ中央駅へ戻らなければなりません。セントラルを起点に様々な経路のトラムやバスが運行しているのです。

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せっかくの機会なので、ヘルシンキ駅の中も少し覗いてみました。構内の売店で売っていたサンドイッチがすごく美味しそうで、食べておけば良かったと少し後悔。。

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駅のホームに出ていた露店。色とりどりの野菜や果物たちがきれい。

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はじめて見るヨーロッパの鉄道風景。いつの日か、大陸へとつながる列車に乗って、行き先を決めない気ままな旅をしてみたい。〈続〉

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タリン行きの西ターミナルへの直通のバスは12時半の出発。まだ充分に時間あったので、有名な「ヘルシンキ大聖堂」に行ってみることに。だいたいの見当をつけて歩き始めてみたら、どこかで道を1本間違えたらしく、しばらく歩いてもそれらしくものはまったく見えてこない...。地図を見ながら困っていたら、また通りがかりの若い女性が声をかけてくれました。ヘルシンキはなんて親切な方が多いのでしょう。。

大聖堂に行きたいのだということを、粗末な片言英語でなんとか伝えようとしていたら、ふと、「もしかして日本人ですか?」と流暢な日本語で話しかけられてびっくり! なんと、その女性は今年の4月まで京都に留学していたのだそうです。まさかヘルシンキに来て現地の人から日本語で話しかけられるとは。。(笑)

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大学も同じ方向だから一緒に歩きましょうと言ってくださったので、少しの道のりを楽しくおしゃべりしながら歩きました。彼女はヘルシンキ大学の学生さん。大学では「日本学」を専攻しているそうです。日本の歴史や文化全般を学ぶ学科なんだとか。遠く離れた北欧の地で、日本のことを熱心に学んでくださってる方々がたくさんいることを知って、なんだかとても嬉しい気持ちになったのでした。

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そんな楽しい出会いがありつつ、大聖堂に到着。青空をバックにそびえ立つ大聖堂の姿は壮観。

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聖堂の内部も無駄がなく、清楚な美しさを讃えています。ヘルシンキ大聖堂は、プロテスタント・ルーテル派の総本山。私にとって海外で最初に見学した教会は、プロテスタント様式のものとなりました。

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大聖堂を出た後もまだ少し時間があったので、遠くに見えた「玉ねぎ屋根」を目指して歩いてみることに。辿り着いた先は「生神女就寝大聖堂(ウスペンスキー大聖堂)」。「生神女」とは、聖母マリアのこと。

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複雑で重厚な造りの外観に圧倒されます。こちらは正教会の建物なので、先程のプロテスタント系教会とはまったく違う世界観。

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東方教会ならではの個性的な装飾が、細部にまで過剰に施されています。まったく前知識なしにここへ辿り着いたのですが、ここはフィンランド正教会にとってとても大事な役割を持つ教会なのだそうです。

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パラジャーノフの映画「ざくろの色」の一場面が、ふと思い出されました。

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ヘルシンキは、とてもきれいで洗練された街という印象。現代的な建物と歴史ある建造物とが、調和を保って併存しています。

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街を歩いていたら、こんなユニークな石像や壁面の装飾に出会いましたよ。

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ヘルシンキはとても安全で快適、居心地の良い都市だと感じました。かわいいものやセンスの良い雑貨を置くショップもたくさん。もっとゆっくり街を歩いていたかったけれど、それはまた次に機会に。バスの出発の時間が迫っていたので、急いで中央駅へと戻りました。〈続〉

セントラルからの直行バスに乗ると、ほんの10分程でタリン行きの船が就航する西ターミナルへ到着。ゲート前にはすでに大勢の人が入場待ちの状態。その後も次々と人が押し寄せて来てターミナルは大変な数の乗客でごった返していました。

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私たちが乗った船は「タリンクシリヤライン」。スケールの基準となるものがなくて写真ではわかりにくいですが、驚くほど巨大な船でした。約2時間の航路で、金額は約50ユーロ。金額はシーズン、曜日、時間帯によって変わります。事前に予約をしておくともう少し安くなるようです。
★タリンクシリヤライン→ http://www.tallinksilja.jp/

私たちは、まぁ焦る必要もないし...とのんびりと待合室でビールを飲んでいたら、やがてそれが裏目に。。頃合いを見て船に上がると、すでに船首側のカフェエリアは満杯。通路にさえ人が座り込んでいる状態。仕方なく甲板に出てそこに設置してあるベンチに陣取りました。天気がよかったので、上着をしっかり着込めば海の風も気持ちよいだろうと、そんな甘い見通しを持っていたのですが...あまりの風の冷たさに間もなく退避・・・(泣)。重いスーツケースを引きずりながら、船内をしばらくさまよいました。ヘルシンキ〜タリンの連絡船に乗る予定の方は、できるだけ早い順番で乗船することをお勧めします。。

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ようやく居場所をつくれてほっとした途端、私は猛烈な睡魔に襲われて、そのまま椅子に座ったまま爆睡...。目が覚めたのは、タリン到着のアナウンスがちょうど始まったところでした。そんなわけで船上・船内の写真はほとんどありません(^^;)

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下船のアナウンスがあってから、かなり時間を置いてからゲートに向かったのだけど、出口は大勢の人で大混雑...。外に出るまでずいぶん時間がかかりました。パスポートチェックはないので、国境を越えたという実感のないまま、市街地へと向かうであろう人の流れに乗って、しばらく黙々と歩きつづけました。ターミナル周辺は、大型のショッピングセンターやビジネスホテル、駐車場等が立ち並ぶ面白みのない景観。ここが本当にエストニアなのかなぁ...とぼんやりした頭で歩いていたら、またもや道に迷ってしまいました(笑)。

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通りがかりのおじさんの助けもあって、どうにか宿のある方角へと歩き進めることができました。大きな幹線道路を渡って公園を抜け、いよいよ旧市街のエリアに入ると、周囲の景観ががらりと変わってびっくり。。。

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そこはまるで、時代を遡ってヨーロッパの古都に迷いこんでしまったような世界でした。〈続〉

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日々のたわいもない出来事や旅の思い出を、気ままにつづっています。

【横山ひろあき】Hiroaki Yokoyama
グラフィックデザイナー&イラストレーター。1967年生まれ、鳥取県米子市出身。現在は東京都中野区に在住。

好きなもの:映画「ミツバチのささやき」、シュペルヴィエルの短篇、チェルリョーニスの絵画、ヴァージニア・アストレイの声、ラファエル前派、竹久夢二、坂口尚、猫、旅、酒。

http://www.jamsand.com

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